* 倉亮 *

□『興味75%、憧れ20%』
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あの人の側に行きたい。

そう思った。






*興味75%、憧れ20%*




中学三年生の初夏。
身体能力は高いけれどちょっとばかりやんちゃだった俺は、中学野球でそこそこ活躍したにも関わらず、地元の高校から一切声が掛からなかった。

まぁそれは…仕方がない。

高校野球なんてモンは、問題を起こせばそこで終わり。部員全員、学校全体、強いてはOBにまで迷惑が及ぶ。
そんな危なっかしい生徒を引っ張る物好き、普通考えてあるはずがない。



と、思うだろ?…あったんだよ、そんなトコが。

そこは、むちゃくちゃ遠いって程じゃないけど、通いでは到底無理な東京の学校。
西東京が誇る三強、と謳われつつも甲子園には最近とんとご無沙汰な、私立青道高校だった。


そこから来たと言うキレイなおねーさんを前に、俺はヒャハハ、と声を上げて笑っちまった。



「…何がおかしいの?」


眉を寄せてその人が言う。
高島礼。名前も容姿も女優みてぇ。


「いや、俺みたいなヤツでも取ってくれるんだなと思いまして」


調べはついてんでしょ?伝統とか、大切じゃないの?
ニヤ、と笑った俺に対し、「そんなこと?」と言いたげに高島サンは口を開いた。


「倉持くん」


眼鏡の奥で、綺麗な目が不敵に笑う。

「そういうことは、うちを視てから言って頂戴」

「…へぇ?」

「悪いようにはしない。本当よ?」


その自信の理由に興味が沸いて、俺は見学の誘いに乗る事になった。




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