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□総統の悩み
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「うーん…」


テーブルに肘をつけ、片手で顎を支える感じで一人、わしは悩んでいた。


「どうしたんですか、総統?トイレで踏ん張ってるみたいな声をだして」


いきなり声をかけられ、誰かいるのかと、驚いて周りを見回す。いや、この声質で一応わかるんだが、姿が確認できないとどうも落ち着かない。
やはり声の主は吉田くんだった…。この悩みは君が深く関係しているというのに…。


「い、嫌な例え方をするなあ吉田くん…いや、何…とくになんでもないんじゃが…」

「トイレで踏ん張ってるような声を出しておいて!なんでもないわけがあるでしょう!あれ、ないでしょう!あれ、あるんだっけないんだっけ?」


いつもと変わらないボケっぷりに、なんとなくだが安堵の息を漏らす。


「ないんじゃろ?多分」

「あ、そうです!ないんですよ!」


助け船を出してやると、すぐに顔をこちらへ向け、同じ質問をしてくる。


「で、どうしたんですか?」


もうわしは逃げられない、と悟ると同時に、話しておいた方がいいと思い、話すことを決意した。


「実はな…こうやって吉田くんと付き合って…ほんとにこれでいいのやら…と…」

「僕と付き合ってて何か不満と言いたいんですか?」

こんなことを言っているが、顔色も声色も一つ変えてはいない。わしに気を使ってくれておるのだろうか…。
だが、もちろんわしは吉田くんと付き合っていて不満などと感じたことはない。


「いやいやいや、それは違うぞ吉田くん。」


すぐに訂正をする。


「じゃあ…なんですか…」

「うん…わしはいいんじゃ…わしは今のままで幸せじゃが…吉田くんはいいのかね?」


最も、告白してくれたのは吉田くんだが…
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