Bk(K)

□Wound
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ある1つの物語があった。


1つの世界は2つに別れた。
世界は2つになった。



もう1つの世界で争いが起きた。
その世界は更に2つに分かれた。



世界が、3つになった。



闇に沈まぬ朝の世界と、光のない夜の世界。
そして、闇と光が共存する世界。



闇ある世界は人の心と姿を失った。
光ある世界は卓越した力を失った。




闇ある世界は光ある世界の者への無力さを嘲笑い―――

光ある世界は闇ある世界の者への愚かさを嘲笑った。




――しかし、


共存する世界は悲しんだ。

折角の生を享けた者を、どうして虐げる必要があるのかと。
その世界にしてみれば、2つの世界はとても残虐で、とても哀れだった。


時は流れても、世界戦争は終わらなかった。



『嗚呼神よ、この争いに終止符を!』



共存する世界は祈るしかなかった。
兵力もなにもない平和な世界だから、ただ神に頼るしかなかった。



すると、祈って間もなく。
2つの世界の戦地に、一人の男が現れた。

男は微笑みながら、2つの世界の王にこう告げた。



『Lost lambs.The world is going to approach the end,Therefore stop the useless fight.』



二人の王は、一瞬ためらったが剣をおろした。続けて男は言った。



『The world will become one.―――Until then, let's see again.』




こうして、世界戦争は一時休戦となった。


しかし、両者に出来ていた溝は塞がる筈もなく。

未だ一触即発じょうたいのまま、時を越えた。




そう、それは―――今まで話した物語―――新しい物語へと変わるに至る、前奏曲にしかすぎない。


男は、遠くを見つめながら光に消えていった。





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:)00 3つの世界



2009,2/27,Fri

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