短編

□鎖
1ページ/17ページ



「また、やっちまった。」


土方は手負いを負った傷を銀時に、自慢げに見せる。


銀時は土方が怪我を負う度に、自命が縮まる想いがし、言い知れぬ不安がよぎる。


だけど、土方は銀時の心配を余所に、幾つもの傷を作る。


「やっちまったじゃねーだろ… ったくよぉ… 」


「何だよ。その面は、こんな傷舐めときゃ治る。」


そりゃ、躯についた傷は塞がりゃあ治るが… よぉ… でも…後、数センチずれてりゃテメェの… 命が… 消えてたかもしれねーのに…


「… 頼むから… 土方… 気を付けて… 無理かも知んねーけど、じゃないと俺…」


くしゃりと銀髪を撫でられ、俯いていた銀時が顔を上げる。


「分かってるって、銀。」


分かってる… ウソばっかり…



真選組 鬼の副長 土方 十四郎を、一人の男と意識し惚れて、駄目元で告白したら… 「へぇ… 別にいいけど… 」


曖昧な返事だったが俺達は、一応は世間一般で言う恋人同士になった。



何時も危険と隣り合わせだとは分かってる。だけど、少しくらいは気を使え、こんなに怪我されちゃ見がもたねー。









次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ