短編
□神威HAPPY*birthday
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ちょっと・・・いや。マジで・・・
帰ってくんねーかなぁ・・・・・
本日も晴天。何時もは閑古鳥が鳴いている、万事屋に客がいる。
ズッ… ズズッ…
出涸らしの茶を啜り、万事屋亭主、坂田 銀時を見据える。
阿伏兎
銀時はソファーに座り、頭を仰け反らせ天井を見上げてる。
どおすっんだよ・・・何でコイツいんだよ・・・ 神楽はいねーし・・・俺一人の時に・・・なんで―――ぇえ!くんだよぉお!!
まぁ・・・そもそも・・・万事屋に上げた俺が・・・悪いってかぁ・・・いやいや・・・上げなきゃで・・・今頃・・銀さん・・・天に召されてるよぉぉおぉお!!!マジでぇええぇぇえ!!!
「一人言はもういいかい?本題に入りたいんだがなぁ」
「ほっへ・・・」
やべー。余りの動揺で、声出ちまってたよぉ・・・ 俺ぇえ!!!
「依頼?」
「あぁ。ちゃんと金は払う。」
「一応… 万事屋だ。頼まれりゃ、何でもするよ。でも、出来ねー事もある!だから帰れ」
「まだ何も言ってないんだけど…俺は」
阿伏兎は困ったように、頭を掻いた。
「オタクさぁ〜。わざわざ此処に来なくたって、星の一つや二つ潰せるでしょがぁ。それによ、人だって一瞬で殺れんだろぉお…」
「何で、そっち限定なんだ?」
「他になんがあんの?取り敢えず、依頼は受けません!今は俺一人だ。勝手に仕事したら、アイツラに怒られちまう。」
「そうかい…引き受けてくれる「はぁぁああぁあ!!!人の話し聞いてたぁあ!!!受けねーって!俺は危ねー橋は渡らねーのぉお!!!」
ドンとテーブルを叩く。
「実は、うちの団長がこの間、一つ歳をとっちまってなぁ。」
オイオイ!勝手に喋り出したよ…
「ほおおう… テメェらにも、誕生日っうもんがあんのかよ。で、何?」
銀時は気だるく聞く。
「最近、色々と忙しくてな、団長の機嫌も悪い。」
「だから、何だよ!もしかして、誕生日会にでも招待しに来たかぁ…神威君おめでとう!!!これプレゼントってよぉ!渡せってかぁあ!!!」
「あぁ。そうだ」
銀時の顔がピクピクと痙攣する。
何… コイツ…
「いやぁ〜。だったらよ。お前等で祝ってやれよ。サプライズしてやれよ‥なぁ」
「団長は最近、機嫌が悪くてな。一応、頭だお偉いさんには、少々…頭が上がらねー」
「頭ぁあ… アイツは好きでなったんだろぉ…」
「好きでね‥ 半分はそうかも知れないが、もう半分は」
阿伏兎は言葉を止め、銀時を見つめる。
銀時は阿伏兎から、目線を逸らしまた、天井を見上げる。
「あのさぁ… 俺、君の上司から命を狙われてんだよねぇ… 」
「・・・・・・・」
「だーかーらぁあ!!!普通は命狙うヤツの懐には、行かないっしょ。お分かりで?」
「真選組の幹部は今…どちらにお出掛けで?」
銀時は目線を阿伏兎に合わせる。
土方は今… 城だ…特にへまをやらかした…訳でもねーのに… 呼び出しが掛かったと言ってた…
「女戦士に… あぁ…勇敢な男子とその姉は… 今… どちらにお出掛けで…」
阿伏兎がニヤリと意味有り気に微笑する。
神楽と新八…それにお妙は… 商店街の福引きで… 二泊三日の温泉旅行… まさか…
「テメェ… 何が言いてぇんだぁあ」
銀時の紅い瞳が光りを宿す。
「… いや。ただ聞いてみただけだ。」
阿伏兎は出涸らしのお茶を啜った。
お偉いさんからの急な呼び出し…
それに… 季節外れの… 商店街の旅行… 考えたくはないが… ある意味…人質…
銀時は拳をギュッと握り締め、躯の震えを誤魔化す。
「俺にどうして、欲しいんだ… 」
銀時は静かに問う。
「大した事じゃない。ただ…」
「ただ… 」
「オイオイ… 殺意剥き出しだぜ。あんた」
「はぁあ!さっさと言えよ#テメェの目的をよぉお!!!」
銀時は声を荒げる。
クソッ…何だってんだよ…何を考えてやがんだ…
「別に取って喰おうってんじゃねぇから、そんなに心配しなさんな。 あんたが条件呑んだらの…話しだけ…」
阿伏兎の言葉を最後まで、聞かず銀時の躯は動いた。喉元に洞爺湖…
ピーンと空気が張り詰める。瞬き一つせず紅い瞳の鬼が阿伏兎を追い詰める。
阿伏兎は瞳を静かに開く。目の前の男は眩しい程の光りを放つ。
「… 団長が… 惚れるのも…解る気がするぜ…」
「ふざけたこと抜かしてんじゃねー!」
クソッ… 夜兎族… 微動だにしねー
「あんた… そんな物騒な物、引っ込めて本題にはいろうやぁ…俺は別にあんたらを、殺りに来たんじゃない。依頼を持って来ただけだぜ。」
銀時はゆっくりと後退し、ソファーに座り直す。
「団長って言ってもまだ、子供だ。たまには息抜きも必要でね。」
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