短編

□二人で…
2ページ/6ページ



「なぁ綺麗だろ〜!」

ニコッと笑う銀時


確かにな… まだ誰にも践まれずに積もった雪は…汚れきったこの街さえも…スッポリと綺麗に隠しちまう…


銀時… お前みたいにな…


俺の薄汚れた…躯…

血に染まった手をも…お前のその綺麗な…輝きで隠してくれる…


だけど… 雪は溶ける… だから…いつか…お前も俺の…


腕から溶けて…


消えてなくなりそうで… 恐い…


雪を眺める銀時の、背後から土方は、包み込むように抱き締めた。


「ちょ…おまっ…何?」

「黙ってろ…こんなに冷えやがって…」

背中から抱き締められ… 暖かい… この温もりが嬉しい…


「あっ!!土方」


「んだよ!」


「お前、今日は非番だろ?銀さんに甘味奢れよ!」


ムードもヘッタクレもない銀時の言葉に、溜め息を吐き


「はぁあん!テメェの事だ!この雪を見てよ!イチゴシロップをたんまりかけた、かき氷でも想像したんだろぉ?」


クスッと銀時は笑う

「そうだよ!」

悪いかとばかりに、土方を睨み付ける。

イチゴシロップ…いいなぁ…本当に真っ白な氷の上に…たんまり甘い蜜か… け… て…






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ