短編
□二人で…
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「なぁ綺麗だろ〜!」
ニコッと笑う銀時
確かにな… まだ誰にも践まれずに積もった雪は…汚れきったこの街さえも…スッポリと綺麗に隠しちまう…
銀時… お前みたいにな…
俺の薄汚れた…躯…
血に染まった手をも…お前のその綺麗な…輝きで隠してくれる…
だけど… 雪は溶ける… だから…いつか…お前も俺の…
腕から溶けて…
消えてなくなりそうで… 恐い…
雪を眺める銀時の、背後から土方は、包み込むように抱き締めた。
「ちょ…おまっ…何?」
「黙ってろ…こんなに冷えやがって…」
背中から抱き締められ… 暖かい… この温もりが嬉しい…
「あっ!!土方」
「んだよ!」
「お前、今日は非番だろ?銀さんに甘味奢れよ!」
ムードもヘッタクレもない銀時の言葉に、溜め息を吐き
「はぁあん!テメェの事だ!この雪を見てよ!イチゴシロップをたんまりかけた、かき氷でも想像したんだろぉ?」
クスッと銀時は笑う
「そうだよ!」
悪いかとばかりに、土方を睨み付ける。
イチゴシロップ…いいなぁ…本当に真っ白な氷の上に…たんまり甘い蜜か… け… て…
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