短編
□二人で…
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「うわぁ―――!!!どおりでよ冷えるわけだ」
銀時は部屋の窓を開け、目の前の真っ白い世界に顔を綻ばせる。
息を吐けば、真っ白い世界へと煙りになり溶け込んでいく。
暫くその行為を楽しんでいると「…クッチュン…」
蒲団に潜り込んで寝ている土方が、もぞもぞと動き出した。
「おう!悪ぃ…起こしちまって」
蒲団から頭だけを突き出し、眉間に皺を寄せあからさまに、不機嫌オーラを醸し出してる。
顎だけをクイクイとして、隣りに来いと指図する。
今の土方の声を代弁するとだなぁ…
[オイ!!何、勝手に蒲団から出てんだぁあテメェ!早くコッチに来い。]だ!
「その通りだゴラァア!早く来い!」
「へっ?俺、心の声で喋ったんだけど…丸聞こえですかぁ!!」
土方は呆れた顔をしながらも、相変わらずクイクイ顎を動かす。
銀時は白い手をヒラヒラさせ
「ちょっとテメェがよ、コッチに来て見ろってすんげぇー綺麗だからよ!」
銀時は土方に、早く早くと手招きする。
チッと舌打ちをし、銀時の傍に歩み寄る。
窓の外は真っ白で、灰色の空から雪が降りる。
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