短編

□ホワイトデー
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「暇だなぁ〜」

万事屋のソファーに座り、ジャンプを読む銀時は盛大な欠伸した


「まぁ仕方ねーか…仕事もなけりゃ…金もねーしよ」


神楽は沖田と遊園地に出掛け

新八はお通ちゃんライブに出掛けて、万事屋には銀時一人


「世間一般で言うとだなぁ…今日はホワイトデーらしい…」

土方からは何の連絡もない

仕事が忙しいのもあるのだろう。


「バレンタインデーは、最悪だったしなぁ…銀さん頑張ったのによ!お返しなんざぁ…無理だな…」

ジャンプをアイマスク代わりに、昼寝でもしようとソファーに、ゴロンと横になる。


誰も居ない部屋は静まり返る、普段余り気にならない時計の針の音がやけに、耳に付く


一筋の風が部屋の中を通る


「……オイオイ!ひとんち来るときはよ!まず玄関からじゃねぇの!」


「………………」


「それに、土足禁止な…………神威君」

「流石だね、お兄さん!これでも、気配を消してんだけどね」


銀時は起き上がり、窓辺に座る少年を見た


少年は爽やかに微笑む、普通のヤツが見ればそこい等に居る、愛くるしい少年


でも…躯に染み付いた鼻を突くどす黒い…臭いが…愛くるしい微笑みさえも…


曇らせる…それは銀時にしか解らない事

「何!もしかして、殺しに来たの!銀さん死刑宣告されるぅ〜!」


ヘラヘラと笑う銀時からは、あの日のような鋭く輝く光りは無い


「全く解らない人だな…お兄さんは」

「で!お前は何しに来たんだよ!神楽なら居ねーよ!」


神威は銀時と迎え合わせに座り

「いやぁ、今日は世間一般で言うと、ホワイトデーなんでしょ?チョコのお返し日だとか!」


銀時は驚いた。歩く殺人鬼がホワイトデーを知ってる・・・

「あぁ!わかった、んだよテメェは、神楽にか?それとも違う女に、お返しの品を依頼にきたのかぁ//お前も案外よ、可愛いとこあんじゃん!銀さん少し見直したよ!」


「だからね!今日は此処に来たんだけど、こんなんでいいのかなぁ?ねぇお兄さん」

目の前に出された可愛らしくラッピングされた箱


「これを届けりゃぁいいのかよ!で相手は「お兄さん!開けていいよ!」誰なんだよ……………ぇぇぇええぇ―――!俺ぇぇ――――ぇえ!何で?どうし「この間くれたじゃないチョコ」

銀時は思い出したとゆうよりは、記憶の中から消していた…思い出したくもない…最悪なバレンタインデーを…


「あれは、ちょ…手違いでだなぁ…神楽がお前に渡すチョコと、俺のチョコが入れ替わってだなぁ…だから、気を使うなてか!いらねーし」

「お兄さん、教わらなかった?されたことに対して、キチンとお返ししろとお母さんに?」


「テテテテテメェの場合は違ぇぇぇええぇだろうがぁあ!!!殺られたら殺り返すの方だろぉお!やっぱり…ある意味…死刑宣告じゃんかよ…」


「阿伏兎に気いたらさ!クッキーかマシュマロを、返すのが普通なんだって!だから一応ね両方買ってみたんだけど…」


「ねぇ!今の銀さんの言った事さ…聞いてくれてたねぇ神威君チョコは間違えた物で、銀さんお返しされる覚えはねぇからね!」

神威はお構いなしに持って来た、包み紙を自分で開け始めた

「お兄さん見てよ!ほらぁ美味しいそうでしょう?」

開けられた箱からは甘い香りが漂い、銀時の眼を釘付けにする

ゴクリと喉を鳴らす

「お…お…う…そうだなぁ…ズル///」


「食べてよ!お兄さんに持ってきたんだから!」


それじゃぁ…と手を伸ばす銀時だったがピタッと動きが止まる


(いや…待て…よ〜く考えろぉお!!!銀時ぃい!もしかして…これ食ったら…死ぬと…かぁ…)


(んなぁわきぁないよなぁ…はっはっはっ…………ハァ〜)

「大丈夫だよ、お兄さん!ちゃんとしたお菓子だからさぁ」


(えっ!!!!)


ニッコリと笑い箱を銀時に差し出す


(怖ぇえよ…てか!食わなきゃ即…殺られるぅぅう―――!)


冷たい物が背筋を伝う


「神威君…解ったから…あ…後で食うからよ!お前の依頼はちゃんと受けたからよ…もう用が済んだら…帰ってくんない!銀さん忙しいしね!」


この場は何とか切り抜けて…神楽が帰ってきたら…食わそうννν


「えー!連れないなぁお兄さん!チョコに書いてあったでしょ?愛を込め「だぁぁあぁああぁ!!!!違うからぁあ―――!あれは手違いだって言ってんだろうぉがぁあ!!!」


思わず立ち上がり、神威を見下ろす


「どうしたの?そんなに焦ってν」


「はっあ!いや…別に」 コホンと咳払い


「お兄さんは、チョコをあげる相手(男)がいるんだね!」


「ゲッ…ゴホッ…グベェ…」咳払いが…咳き込んだ


「普通はさ…女の子が、好きな男の子にあげるんだよね!と、ゆうことは…お兄さんは好きな人が居るってことだよね!」





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