短編

□願い
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まん丸お月さん


どうか…願いを叶えて… 下さい




俺の… 願いは………


「…‥…………です」







ほろ酔い気分で家路に向かう


風が心地良い


今日は満月 月明かりは明るく、道を照らす


「♪フフン〜♪」


つい鼻歌が出る


「オイ!万事屋ァ! テメェ音痴だなぁ!」


「ほへ?」

何時もは暗闇に隠れる男は、月明かりで今日は、はっきりと姿が見える


黒髪に整った顔 嫌味たらしい程

男前 真選組副長
土方 十四郎

「人が折角よ、良い気持ちでいんのに!テメェの今の一言でスローダウンになっちまった!」


「はぁ!何、意味わかんねー事を、言ってんだぁあテメェはぁ!」


「まぁ…いいや…んじゃ多串君」

土方を、チラッと見て 銀時は

白く綺麗な手を、ヒラヒラと振る







「今日も無事なアイツが見れた…まん丸お月さん…有難う…俺の願いを聞いてくれて…」



俺の…願いは…アイツの無事な姿を見る事です…















綺麗な月に…願いを…


どうか…俺の願いを叶えてくれ…




俺の… 願いは

「…………………だ」






月明かりで 綺麗な
アイツは何時もに増して

綺麗だ…


銀髪に 白い肌
綺麗な顔

万事屋 坂田 銀時


手をヒラヒラと振り
去って行く アイツの後ろ姿を 見送る



煙草を吹かし 見えなくなるまで 見つめる

















月よ… 有難う…

俺の…願いを聞いてくれて…



俺の…願いは


「アイツの…憎まれ口を聞く事と… 綺麗な姿を…見ることだ」







今は…まだこれぐらいでいい


だって、これからゆっくり近付いて…いこう


これからも
まん丸お月さん
綺麗な月よ


願いを聞いて


下さい
くれ




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