短編
□憎まれ口
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「だから 悪かったって言ってんだろぉ」
「…テメェは何時だってそうだ…」
「仕事だったんだ!仕方ねぇだろうがぁあ!」
「はいはい…どうせ俺は、年がら年中
プーですよ!」
「誰も今、そんな事言ってねぇだろう! なぁ いい加減、開けてくれねぇかぁ! 銀…機嫌なおしてくれよ」
「銀さんは、殆どプーだから、接待という仕事なんてしたことないしよ! 可愛い女の子に囲まれて、鼻の下伸ばすこともないしね#」
(チッ# クソッがぁ!総悟だなぁ!銀時に変なことを吹き込みやがってぇえ!)
「鼻の下なんて伸ばしてねー!接待だって仕方ねーだろぉ…抜ける訳いかねーしだから、ぎ[ガチャン…ッウーッウー]ん…」
電話が切れた、俺は今、万事屋の前で玄関が開くのを、今か今かと待っている
何故、こんな事になったかと言うと
昨日の夜…本当は銀時と逢う筈だった…
なのに突然のお偉い方の訪問で… 仕事(接待)
飲みに行く事となり
約束が守れなかった
飲みに行った場所が悪かった…
高級倶楽部… そりゃぁ良い女は、選り取り見取り
でも、誰一人として
銀時にかなう者などいない
俺の気持ち…解ってんだろ…
まぁ 拗ねた…銀時もこれがまた、可愛い
俺も大概、ヤキが回ってる
[プルルー…プルルー]
「はい!万事屋銀ちゃんで〜す!」
「オイ!いきなり電話切るこったぁねぇだろがぁ!」
「はぁ!どちら様ですかぁ〜あ?」
「本当に…悪かった…頼む!銀…開けてくれ!」
[ガチャン…ッウーッウー]
ふざけんなヨォォォオオ!!!!!!!
携帯を真っ二つに、折りそうになったが
なんとか…自分を抑えた
頑張れ〜ぇ!俺ぇ!堪えろぉぉおーーー!
気を取り直し
[プルループルルー]
「はい!万事屋銀ちゃんで〜す!」
「あの〜ぉ 依頼したいことが、あるんですけどぉお! 玄関開けてもらえますぅ」
「…死ね…」
[ガチャン…ッウーッウー]
「ぁーあ!!!そうかいそうかいーぃ!テメェの事はもーしらねぇ!」
大体! 玄関の前に居るのに電話なんて
おかしいだろぉ
「どーしても、開けねーつもりかぁ!銀」
「……………」
「ほ〜う!上等じゃぁねぇかぁ!」
「上等だぁ!テメェふざけんじゃぁねぇーーー! 何処でも好きな所に行きやがれぇぇええー!二度と俺の前に、その面みせんなよぉお!」
玄関の戸を一枚、隔て
大の男が二人、罵り合う
「へぇ〜!分かったよ昨日、土方さん格好いいですね!これ私の番号ですって!渡されたしよぉ!」
「ほ…ほう!良かったじゃぁねぇかぁ…瞳孔開きぱニコチンマヨラーを、格好いいなんてよぉ!その奇特な女のとこに、でも行きやがれぇえ!」
「そうさせて、もらうわぁ!じゃぁなぁ!」
土方が、階段を降りる音がする
「……ッウ……」
銀時は、椅子になだれ込んだ
膝を抱え俯く
「銀さん!大丈夫ですかぁ!あんな言い方したら、土方さんが可哀想ですよ!」
「あれぇ!新八君…居たの!」
「居たよ!最初から!あんたぁ!分かってただろーぉ!あんたらの痴話喧嘩嫌って言うほど、聞いてたよぉおお!」
新八は 溜め息を吐き
「仕事なんだから、仕方ないですよ!ねぇ銀さん」
「分かってんだよねぇ…本当は…でもよぉ…新八ィ…アイツはマヨラーだけどよぉ…格好いいしぃ…高級取りだしぃ…普通ならよ!綺麗な…女が隣にいて…当たり前なのによ…」
「銀さ…ん」
「アイツは…俺を選んでくれた…分かってんよ…だけど…不安なんだよなぁ…女みたいな…綺麗な躯じゃぁないし…ましてや…アイツの…子供なんて…産みたくても…俺は…産めねー」
「本当は…お帰りとか…お疲れ様とか…言いてぇのによ…つい憎まれ口叩いちまう…ハァ〜…可愛くねぇよなぁ…大概ひねくれてんなぁ〜…銀さん」
「新八ーィ!聞いてるー!銀さんの…はな…し…新八…じゃぁねぇー!土方ぁあー?!」
ガターーーーーッン
椅子から転げ落ちる
新八と思い振り向いたら…
帰った筈の、土方が後ろにいた
驚き!我を忘れパニクル…銀時
「なっなんでぇえ!お前いんのぉおおーーー!」
土方は、ばつが悪そうに
「帰るかぁ!バカヤローォ!」
「何時から!どれくらいから!いた!テ…テメェは…?」
声が上擦る
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