短編

□ ヘタレ土方
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静まり返った部屋の中では ペンを走らす音だけが 響く

銀時は 何をするでもなく ただボーッと 天井を見てる

「なぁ! 多串くん!」
「多串じゃぁねぇ!土方だって 言ってんだろがぁ!」

「本当に 終わんのそれ?」

「うっせぇなぁ 終わらせるように 努力してんだろうがぁ!」
「ふーん」

「ふーんって テメェー!誰の為に 必死になってんのか!分かってんのか!」

「銀さんの為!」

土方が赤くなる

「なぁ! その書類を50枚 仕上げる事によ…銀さんが 耳元で名前呼んでやるよ」

「ばっ馬鹿かテメェーは! な…何 言ってやがる!」

「要らないんなら いいけどね」

「…………………」

「………………」

「すみませんが 20枚事で お願いします」


最初の20枚目

「 土方 」

次の20枚目

「 トシ 」

次の20枚目

「 十四郎 」

次の20枚目

「 トシ 」

次の20枚目

「 十四郎 」

次の20枚目

「 土方 」

次の20枚目

「 十四郎…好き」


ぶっはぁ! 大量の鼻血

「ぇええっーーー!」
折角 仕上げだ書類の上に 鼻血を撒き散らした

「お‥お前 何してんのーォ! 」

「テ‥テメェが 急に違う事 言うからだろうがぁー!」

「はぁ! テメェーは中二ですかコノヤロー! 書類がめちゃくちゃだろうがーぁ!」

障子が開き

「旦那ぁ! どうしやした? ぁあー こりゃぁ ひでぇや また 最初から やり直しでさぁ」

銀時は すっと 立ち上がり 土方に蹴りを入れ

「テメェー!なんて しるか この瞳孔開きぱニコチンマヨがぁぁぁああー!」

土方の顔は鼻血で 真っ赤 オマケに 書類まで 真っ赤‥

足早に去る 銀時

「うっ! ちょ! 銀時ィィィィィイイ」

追い掛けようとして 沖田に捕まり部屋に 押し込まれた




屯所をでて 銀時は腹を抱えて笑った

(本当に ヘタレ土方 早く 仕事終わらせて 逢いに来いよ そんときゃ その書類の倍の 甘味奢らせてやるからな)




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