A
□俺達
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甘い香りが嗅覚を擽る。その匂いは俺を落ち着かせ、幸せな気持ちにさせてくれる。
うっすらと瞳を開ければ、土方の胸にピタッとくっ付き、規則正しい寝息をたてている、愛おしい人物が居た。
夕べ万事屋に来て俺を視た瞬間に、不機嫌になったコイツを組敷いた。
襟元から白い肌がみえ鎖骨辺りの、赤い所有痕に指を這わす。
銀時の躯が少し反応しもぞもぞと、土方に縋り付き
「… ぅ〜 ン … トシィ… 寒い… 」
名前を呼ばれた事に思わず笑みが零れる。
「悪りぃなぁ。」
俺は銀時に蒲団を掛け、更に自分へと引き寄せる。
柔らかな銀髪が俺の胸で揺れる。それを指に絡ませ遊ぶ。銀髪を掻き揚げ 額に瞼 鼻 頬 そして唇にキスを落とす。
ゆっくりと唇をなぞって行けば僅かに、唇が開き艶声が少しだけ漏れた。
それをいいことに隙間から、舌を忍ばせ中をまたゆっくり、煉っとりと犯していく。
眉間に皺を寄せながら、銀時はくぐもった甘い吐息を吐く。
「… ゃ、 ぁっ… メロッ… ハァァ… ンンッ… 」
土方の躯を押し退けようと小さな抵抗をする銀時。
その姿がまた可愛い。そして、更に深い快楽へと導きたいと、手を伸ばしていく。
胸の小さな果実を摘み、指でこねる。唇は未だ塞いでいるため、苦しそうな呻きを漏らすだけ。
指を這わせ勃ち掛けた、銀時自身にはワザと触れずに、その下の小さな蕾に指を入れる。
昨夜、散々に攻め立てたそこは、まだ柔らかく クプッと音を立て、土方の指を飲み込んでいく。
唇を離し銀時を視れば、頬は高揚し瞳も潤み、何度視ても土方を高ぶらせる表情…
次へのスッテップに行こうと、土方が体制を変えた瞬間!
銀時の脚が土方の腹を捉え、思いっ切り蹴り上げられ、壁に激突した。
「… 痛っう… 」
頭を振りながら土方は銀時を睨んだが、その漆黒の瞳に映る銀時の姿は、息を呑む程に綺麗で…
「痛っうっじゃねーよォオ!何朝から盛ってんだよォ!この絶倫ヤロ―!」
「あ"ぁ!」
「昨日、散々テメェはやっただろォ…ったくよ。起きたんなら帰れよ。銀さんはまだ眠たいのっ!」
乱れた蒲団をバサバサと、整え潜り込む銀時だが、そうはさせまいと蒲団を奪い取る土方。
「んなぁ―――にしやがんだァアア!!!この多串めェエ!!!さっさと仕事行けよ!」
「今日は、休みだ!」
銀時はその言葉に小さな溜め息を吐き
「はぁっ!休みなの。ふ〜ん。だからって、俺の睡眠妨害すんの止めてくんない!!」
銀時は土方から蒲団を奪い取るが、今度は土方に蒲団ごと抱き締められた。
「何なんですかァア!コノヤロ―――!!!」
ジタバタと暴れる銀時。
「なぁ。どっかいかねーかぁ… ?」
「はぁっ!?誰と?」
「俺と… 」
「誰が… !?」
「お前!!!」
土方の声が少しいや… かなり切れ気味…
「イヤだね。何でマヨネーズ馬鹿と二人で、出掛けなきゃなんねーんだよ。」
なっ… 何ですとォオオ!!!甘味屋とかほらぁ… 居酒屋とか… ほらぁ… 二人で行ってんじゃん…あれっ… ? でも、それは偶然ばったり店で逢ったり… 町中で逢ったり…したとき… だけ… !? あれっェエ!ちょっ、俺達ってまともに待ち合わせしたこと何て… 無い…
ガックンとうなだれる土方に、銀時は白い手をヒラヒラとさせ
「どーした? 土方ァ…」
放心状態の土方を余所に、銀時は蒲団を奪い寝る体制になる。
「アアアアァァアァア――‐‐!!!」
「うっせぇ―――!!何、何なのお前はァアア!!!」
まともに―!デッ、デート何てしたこと無い…
銀時のこめかみがピクピクとし冷めた眼差しを土方に送る。
ポリポリと躯を掻き銀時は、面倒くさそうに口を開く。
「なぁ。折角の休みなんだろ?テメェには滅多に無いもんだ。だから、有効に使えよ。」
「有効… って何だよ。」
「俺じゃ無くてもさ… お前モテんだろ。お前が声掛けりゃよ、ホイホイ股開いてくれる綺麗なねーちゃんが、一杯いんだろ。そんなやつを誘えよ。」
モテるかと言われれば、確かにモテる。自分が知らない女でも、声を掛けてくるぐらいで… だが、今、銀時は何と言った… お前ではなく… 他のやつを誘えと…
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