A

□新年会。
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「お前の罪状とガキのこと、知りたいか万事屋。」
「警察のすることじゃねーな。俺はともかくあいつらは関係ねーだろ!!」
「それが、あんだよ。お前といつも一緒だろ?」

この間にも土方の手は俺を触り続ける。

「この手は何だよ、触んな!」
俺に触れていいのはアイツだけだ。
「じっくりとしてやんよ。やめてくださいと、懇願するまでな。」
「誰がするか、躯だけならくれてやるよ。魂ごと抱けんのはこの世でただ独りだけ…。」

真っ直ぐにい抜く紅い瞳は揺らぐことがない。想い人を浮かべ俺を写さない事に躯が震え、怒りと哀しみに憐れみさえも入り交じり、総てが真っ白になって

壊してやれと

誰かが囁いた…












「わわわわわ!!ストップ!!ストープゥゥ!!」

後頭部に衝撃があり真っ白だった世界が、真っ暗闇へと色を変えた。

どのぐらい落ちていたのか目を覚ませば、あいつの香りのする蒲団の上。襖が開きひょこりと顔を出す銀時。

「起きたか。お前さ、マジになってどーすんの?何かしんねぇがいきなり来たかと思えば、新年会の余興の練習に付き合わされて、挙げ句のはてには瞳孔いってしよ。」

そうだ新年会の余興に小芝居をするとかで、総悟が作った台本片手に万事屋に来たんだ。

ぽんぽんと蒲団を叩き銀時を呼ぶ。少し拗ねた顔で横に座る銀時。可愛い。

「お前、が、ん?」
ぎゅうと抱き着き押し倒す。
ぐりぐりと頭を銀時の胸に押し当てて。

「ありゃ、ヘタレモード?甘えん坊モード?離れろ。」
「やだ。」
「やだってこっちがやだ。」
「銀時が、言った…、」
「んあ?何を、」
「魂ごと抱けんのは…、誰だ。」

はぁー、こいつは。
「台本にはなかった…、」
「ああ、そうだな。」
「………」
「………」
「………」
「あのなぁ、十四郎くん。万が一、いや、有り得ねーけどさ、あんな状態に陥った場合さ、」

「したやつ、殺す!!」
はいはい。よしよしと頭を撫でてやる。
「どんな状況でも俺の魂動かせんのは、お前だけだ。覚えとけ。」

おでこに口付けたらポッと赤くなって尻尾振ってやがる。俺もお前にゃ大概甘え。

ごそごそと手が動く。擽ってー。
「やんならじっくりだろ?やめてくださいと言うまで、よくしてくてんだろ?」
「ああ。」






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