A

□たまには言葉にしてみよう。
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あー、頭…、痛ぇ…、やぱっ飲みすぎたわ。部屋のビール瓶を片目を開けて数える。数える間にうっと胃から何かが込み上げて来た。

ギモチ悪い…。

取り敢えず水でもと襖を開けた。………………………ん、?

目を擦り……………………。…。ええ!

えええええええええええええ!!!

瞬きをマッハでするが目の前の状況は変わらない。誰!?ねぇ!!銀髪にクルクル天パに色白で紅い瞳?!何処かで視たような…、見覚えあるような…、…うーん、あぁ!ポン。俺だ!!うんうん。流石俺だけあって男前じゃん。うんうん…う…、んん…???って!何でインのォ!!俺がァァ!!

新八、神楽、定春と一緒になんの違和感もなく、俺がイヤ俺であって俺じゃ無い奴が朝飯を食ってる!!

あーれー…、うーん…、と、俺は此処で俺だけど俺じゃ無い奴が目の前にいて?!だからァ、俺は俺で俺じゃ!!あああっ!どうでもいいわァァ!!

モッサモッサ食ってる両頬を掴み俺に向かせ
「どちら様ぁぁ!」叫んだ。
「銀ちゃんネ。」え?
「銀さんも食べますか?」朝食を出された。いただきます。って!
「違うーーーーーーーーぅぅ!!」

テーブルを星一徹の如く引っくり返しそうな勢いで叫んだ。

「誰!?ねぇ!!まぢ誰!?」
「だから、銀ちゃんアル。」
「俺はココォ!!この人誰!?何でお前等平気なの?」

新八、神楽は茶を啜り銀時に一枚の紙を差し出した。ん、?んん…!

「自分がしたんですからね。自分で何とかしてください。」
「自業自得アル。」
「それじゃ銀さん、」
「じゃなァ、天パ」
「アン!」

ピシャリと玄関を閉められた。紙を持つ手がワナワナと震える。

『お久し振りです。金時君。なかなか逢いに行けなくて申し訳ないので、お菓子ば送ります。』

端っこの方に…、あんまり食べると金時君が増えるかも!!!あっはあはあっはっはっは。ps.ビックリマーク3つも書いちゃた。

「…………」
ぬおおおおおおおお!!なーにが、ビックリマーク3つも書いちゃただ!アノヤロォ!!

既に増えてんだよォ!!逢いに来なくていいし!!ふざけんなってンだよコノヤロ!!確か言われた新八に、坂本からの送りモンだから気を付けろと。大丈夫、食べないと言い張ってたのに!!酒のツマミに甘いもんが欲しくて、つい食べっちまった!

旨かったさ、あぁめっさ美味しかったんですけど何か!!

チラリ俺だけど俺じゃ無い俺を視て………、 しまったぁぁ!どうしよう、どうやったら戻んの?ねぇ!!頭を抱え溜め息。

「ねぇ、」
「…」

肩に手を置かれ顔を上げれば、紅い瞳に俺が映る。

「トシは?」
は?トシ?!
「どこ?」
「どこって!?トシって、」
土方の事だよな…、

「まだ仕事かな…、つまんない。」

俺であって俺じゃ無い俺が顎に手を当て何やら考え中。ポンと手を叩き、逢いに行こうと一言。

「ゴラァ!待て待て待てーぃ!!」
急いで首根っこを掴む。
「ちょっ、痛いよ!何すんの!!」

ジタバタと暴れ出す俺。


「逢いに行くだァ、ふざけんな!馬鹿か!」
「何で?」
「ああ!何でって、」
何で?

考えている俺を視てから、

「駄目なの?どーして?」
「どど、どーしてって、そりゃ…」
どーして、だ。
「ねぇ、どーして?」

俺であって俺じゃ無い俺が問い掛ける。まるで鏡でも見ているようだ。



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