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□北風ぴゅうぴゅう。
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窓ガラスがさっきからガタガタと音を立て五月蝿い。外も風が吹き木々が揺れる音がする。

今現在、愛しい恋人は一糸纏わぬ姿で仰向けで煙草を吸う俺の、胸元に顔を埋めている。久し振りの会瀬でお互い激しく求め合った…、イヤ、嫌がる銀時を組み敷いたのは俺で…、

だってコイツの顔見たら理性なんてブチ切れて、ろくに話もせずに押し倒してアンアン言わせましたよぉ!!仕方無いじゃん好きなんだから!大好きなんだもん!!

銀時がモゾモゾと動き俺の名を呼ぶ。ん、と目線を下に向けたら潤んだ紅い瞳が俺を映す。この角度の銀時もいい!!
銀髪を撫で何だ?、と問えば、

「胸毛、土方は嫌い?」
乳首を摘まみながら聞かれた。

「…?、胸毛?」
「うん、胸毛。あんだけ男が居んのによ、皆ツンツルテンじゃん。」
何時視た!!皆ってどーゆことォ!!

「だからさ、局中法度にでも入れテンのかなーってよ。」
「何を!?」
「胸毛生やすべからずあるものは切腹みたいな、」ニシシと笑い俺の胸を撫で下ろす。気持ちいいっつっうの!!

「ねーよ。そんなモン。」煙草を揉み消し銀時を引き寄せる。
「ふ〜ん、」
「銀時はあった方がいいのか胸毛?、」
前髪を上げおでこにキス。

「うーん、どうでもいい。」

はぁ?!自分で振っといてぇ!!

寒いと蒲団に潜り込んで行く。オイオイ、俺の蒲団が無くなるだろ!!文句を言えば追い出されそうなので、蒲団ごと銀時を抱き寄せた。スリスリと顔を押し付けて、

「やっぱ…、胸毛は無い方がいい、だってこうやって顔つけたら…、チクチクしそうだし…、へへ、」
フゴォ!!ちょっと鼻血出たぁぁ!!

「てか、銀時、隊士等が胸毛無いとか何で分かンだよ。」
「んー、お前等このさみーなかいつも朝、素振りしてンじゃん。上半身裸でよ。」

ああ、そっでしたねぇ…、朝の恒例行事だからな…?、でも何で知ってンの?!朝早く屯所の前を、通らなきゃ分かンねーよ。

銀時はクスクス笑い土方に抱きつき耳許で…お前、今日、クス…、くしゃみしてたな…。

確かにした!ええ!視てたのぉぉ!!ねぇ!!マジでか!!

「ぎっ!…、んん…」
「北風ぴゅうぴゅうの中、ご苦労さん、」はむっと、下唇を甘噛みされてちゅぽっと音を立てながら…、離れて行く唇に噛み付いたら、

「たまには早起きも、ニシシ…、いいもんだなァ、」

チキショー!!反則だろ!可愛すぎんだよ!

「日頃しねーことしたから…、ふぁ〜、眠い…、土方ァ、温めろ。」喜んで!!蒲団を剥ぎ取り万全の体勢に、違うぅ!!と銀時の叫び声は、土方の口付けでかき消された。

最後に 嫌いと涙を流しながら落ち、俺も何度目か分からない熱を、銀時の中に放た。可愛いお前が悪いんだ。こっそり覗いてたのかコノヤロ!!

涙に濡れた目許にそっと口付けて眠る。外はまだ風が強く音を立ててる。
ピッタリと寄り添う恋人。北風ぴゅうぴゅうのお陰で暫くは、この温もりが離れそうもない。銀髪に顔を埋めおやすみと告げた。







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