A

□キャンペーン。
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万事屋に久々に依頼があり懐が潤った。仕事の途中で迷子の迷子の子猫ちゃんを拾ったら、どえらい金持ちの子猫様でスンゲ-厚い封筒を頂いた。


ツイてんなァ今日は、よーし!団子でも食いますか。


団子屋の長椅子に腰掛け、親爺を呼んだ。


「銀さん、上機嫌だね。次いでに溜まってるツケを、払っちゃくれないかね?」
「今日の団子代は耳揃えて払ってやらァ!」
「今日のって、」
「いくらだ?そのツケ」


へ?この声は…


見れば土方が財布から札を何枚か取り出し、ツリは要らねーと親爺に渡している。

何してんのコイツ!俺は親爺が持つ札を、札を、さ、つ、をォ!

「離しやがれェ!コノクソ親爺ィ!」
「いや」親爺は笑顔で拒否。


ちょっと、何処にそんな力があんのォ!千切れるからァ!お金がビリッてなっちゃうからァ!離せェ!


「万事屋、いいじゃねーか。団子でも食おうや。」
「あぁん!」


煙草吹かして何で、してやったりみたいな顔してんだよ。可笑しいだろ?お前が俺のツケ払うなんて?

椅子に座るよう促されたが、その手を払いのけてまた、ダッシュで万事屋に逃げ帰った。


「どしたアル。銀ちゃん、顔色悪いネ。」
「あ、ああ…、また可笑しな人が居て…」

躯がブルッと震える。

「大丈夫アルか?ドコのどいつネ。この神楽様が片付けて来るアル。」
「だっ大丈夫だから…、神楽ァ、銀さん、ちょっと、横になるわ… 」


ふらふらしながら蒲団に横になった。何か怖い…。最初は奢るで、次はツケ払って… どーなってんのォ?!真選組はキャンペーンしてんの?秋の交通安全みたいな感じで、偽善者気取りキャンペーンか何かやってんのかよォォォォ!


チキショー!腹が立つ!あの男の顔がムカつくし、何がしたいのかさっぱり分からない。嫌われてンのだけは分かる。だって俺も大嫌いだもの。






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