A

□みんなで。
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イツモの俺専用の椅子に座り机の上に脚を投げ出し、愛読書のジャンプを鑑賞。


そこへ神楽がヒョッコリ顔を出した。


「ねぇ、ねぇ、銀ちゃん。欲しいものは何アルか?」
「あぁ?」


碧色の瞳をクリクリさせて聞いてきた。欲しいもの?そんなの決まってンじゃん!


「神っ楽ちゃーん、俺の欲しいモンは、」
「んん!何アルか?何アルか?」おめめクリクリ可愛いっつっのォ!


「コホン、ボン、キュッ、ボンの居る店で後ろ手に手錠して、ヤリタイ放題出来る店に行く金とか、パフェいくら食っても釣りが来る金とか、バンバンジャンジャン玉が出るまで使える金とか、たかーい酒いくらでも飲める金とか、」
「こンのガッキャァァァ!!金かァ!結局、金かァ!オラァ!」

胸ぐらを神楽に掴まれて、ガンガン揺さぶられ、

「ちょっ、ぐっわ、かっ、ぐ、やめ、やめてェェェ」


ギモち悪い… 何か来るからァ、腹の底から何か来ちゃうってェ!

「神楽ちゃん、聞き方が悪いよ。」

聞き方じゃねェ!新八ィ!

「こおゆうのは、ストレートに聞くのが一番ネ。」
「まぁ、そおだね。回りくどくてもしょうがないしね。」

しょうがないじゃねェ!。止めろ!助けろ!この眼鏡ェ!空気ィ、読めェ!


かくんっと頸が後に垂れた… 。


「「あっ、イッちゃった…」」


神楽から漸く解放され、理由を聞こうとしたら、ガンッと机が揺れた。地震ン?!

「どーゆうこったァ?銀時ィ!」

へ?土方、く、ん!

「パチンコ行く金、甘味食う金、高級酒飲む金は分かる。だがなァ!ボン、キュッ、ボンの居る店で後ろ手に手錠して、ヤリタイ放題しただとォ!お前の親指ケッソクバンドで、後ろ手に固定してやろうかァ!あぁん!浮気か、堂々と浮気宣言かコノヤロォ!」


今度は土方に胸ぐら掴まれた。


「何、微妙に言い回し変えてンのォ?!ねェ?特に最後、もうしちゃった事みたいになってンですけどォ!!」


欲しいモンあるか聞いてきたのは、そっちだからァ!俺は素直に答えただけだっつっのォ!


「お前の教育が悪いネ。」
神楽は土方の頭をどつく。
「何で、俺ェ?」
涙目だなァ、あいつ…

ソファーにドカッと座り頭を抱えた。あー、バカ達には着いていけねェ。大体、何がしたいのか、聞き出したいのかさっぱ、り…

頭をもたげ後ろのカレンダーの、花丸印が目に留まり、


たく、こいつらは本当に厄介で、でも、優しくて、俺に居場所をくれる奴等で、だから俺の本当に欲しいモンは、


「お前等が、居りゃぁ… それだけでいい。」


3人はぽっかんと口を空けて、銀時を視る。めっさお前等、間抜けだ。


「言われ、なく、てもォ…、居るしィ、ぎ、ぎぎぎぎん時が嫌だっつっても、ずーっと、傍らに居てやるしィ!」

ぷっ、何だそりゃ、

土方が銀時の隣に座る。


「私だって!ずっと一緒ネ。」

神楽が銀時に抱き着き、

「ぼ、僕だって!居ますよォ!」
新八も銀時の隣に座る。


新八に神楽は何時かは、子供こさえてまたその子供が、子供をこさえて、孫から曾孫に玄孫に囲まれて、そん時ゃ、俺も土方もいい歳したジィさんで、想像するだけでも楽しくて、

「ワン!」

「あ、定治お前も一緒だよ。」
「アン!」


ベッロッと顔をひとなめされた。


ああ、俺の生まれた日は案外悪くない… 。








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