A

□不公平
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楽しみだ。コイツのテンパりようがドンナモのか、しっかりとコノ目ン玉に叩き込んでやる。


しかし、睫毛なげーなァ、こうやって寝顔視てると、昼間の顔とはかなりのギャップがあるっつっかァ、こんな顔魅せられちゃ、女もイチコロ?なのかもな… 。


幼くも見える顔にそっと、触れてみる。程好く温かくて、心地良い感触。もっと触れてみたい… 。もっと、もっ、と、ヌッオオオ!ヤベェ!俺としたことが… 黒髪をそっと撫でてみる。


おー、サッラサラじゃねぇ?気持ち良いなァ、あっ、何かちょっと毛並みが定春に似てねェ?おぉ!落ち着くめっさ、落ち着くゥゥ!って、なんだオイ!


危うくコイツのサラッサラ作戦の罠に、引っ掛かる所だったよォ!銀さんンッ!


蒲団から出よう。じゃないと夢の中へGOしそうだ。クルリと向きを変え移動しようとしたら、ギュッと後ろから抱き締められ心臓が跳ねた。


えぇッ!マジで!ちょっ、出そうになる声を必死に喉の奥に終う。


起きてるのかと思ったが、土方はまだ就寝中。無意識かコノヤロォ!女と間違えてやがる。間違えんなァ!きめぇンだよォ!離せ!っても、間違えるように仕向けてるのは、こっちの方かァ…。


久しぶりだ、背中に人肌を感じるのは。安心する。土方だってぇのが、ムカツクけどよォ!だけど、少しだけ…、だ、から… この温もりにすがってい、た… い…


ふわふわと柔かな物のがある。ふわっふわ… 、ふわふわ… あー、コノ毛並みは定春かァ…。もふもふ、ふわっふわ気持ちが良い。もっと、もっと、… ンッ!んんん?定春って全身毛玉じゃなかったけ?定春また、神楽に毛を刈られたのか?


「… 定春?お前、毛がなくっ… うわぁああああ――――――――――――ぁあ!!」
「でけーよ声が、鼓膜破るつもりかテメェッ!」


何で土方?何で定春はァ?何で?何で?…………………………………、コイツは俺、抱き締めテンのォ!俺も何で大人しく腕ン中にインのォ!


パニックだ、俺、昨日、何してた?昨日、張り込み、そんでモテモテ、そんで わかったァ!


「アンパンだァ!」
「何だそりゃ?」
「あっ、いや、間違えた、その、ツマリ何だえーと、その、!!!ッ!何してんのォ!!」


土方が銀時の襟元を大きく開いた。銀時の瞳も大きく開く。

土方は煙草を吹かしながら、ジーッとある一点だけを見詰める。


何?何なんだよォ!
「ちょっ、離せやァ!」
「総悟ぉお… 」
「へぃ。おはようごぜぇやす。土方さん。」


沖田くん?!


「ちょいと、オイタが過ぎねぇかァ?なぁ、」
「何の事ですかぃ」
「コイツを連れて来いとは言ったが…、痕を残せとは…、一言も俺は… 言ってねぇがなぁ?」
「………」


土方の刀が障子を切り裂く。それは本当に一瞬で、切り裂かれた障子から、おめめクリクリの可愛い子が、顔色一つ変えず座ってた。


「その方がリアリティがあると、思いやしてね。」
「そんなもん要らねぇんだよォ!次はねぇからなァ!」
「へーい。旦那ぁ、それじゃ、俺はこの辺で。」
「ちょっ、まっ、話がみえねーよォ!何?コノ状況?説明しろォ!」


土方に両手首を頭上で、一纏めにされた状態。力は互角なのに、ビクともしねぇ!

「説明ですかぃ?」
「そうだよォ!しろォ!ソンで、この瞳孔死んでるヤツも、どーにかしやがれェ!」


沖田はあー、そうですねぇ、と言い顎に手をあて銀時と土方を見た。






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