A

□不公平
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そうだ!世の中何かが間違ってる!イヤ、何かじゃなくて、確実に間違ってンだよォ!


「旦那ぁ。アンパン握り締めるから、あんこが飛び出てますぜぃ。」


はぁっ!勿体ねェ!俺としたことがァ!あんこをペロッと嘗める。

「だけど、腹立つなァ!チキショー!」
「でしょ。」


俺、坂田銀時は今、張り込みをしている。アンパンをムシャムシャ食べながら、えっ?何故?かと言うと、張り込みっつったらさァ、ほらァ、アンパンだよねェ?だって、ジミーもこの間、食ってたしィ!

「それは関係ねぇでしょ。」
「えっ、そう… 。」

ムシャムシャ…。チラリ、沖田を視る。双眼鏡でターゲットを監視中。男二人で何が悲しくて、深夜の張り込みなんだよォ…。


悪いのはアイツだ!そうだ!コンチキショー!


ヒョイヒョイと沖田が、銀時を手招きする。近寄り双眼鏡を覗けば、いたいた、女の腰に手を回し耳許で囁いてる、色男を発見ンン!


マジで殺意しかわかねぇ!


「今日もお盛んで、コノままじゃ、真選組の名に傷がつきまさぁ。」


ギリギリと苦虫を奥歯で、噛み締めるように呟く沖田。


「だけどさ、まぁ、仕方ねーンじゃね?」
「何がです?旦那ぁ。」


アレだけの色男だ。女が群がンのも正直、分からない訳でもない。現にこの隣に居る可愛らしーい、彼だってモテる!腹立たしい程に!


別にそれが羨ましいとか、絶対ないからァ!ないからねェ!俺だって天パじゃなくて、あと金がありゃモテまくりなんだよォ!コノヤロォ!


「早く一発かまして、ガキこさえて隠居生活してもらえば、インじゃねェ?」
「あの邪悪な種を撒き散らかされても、困りまさぁ。」


まぁ、確かに


「その辺は考えてるよ。アイツもそこまで馬鹿じゃねーだろ。だから、やっぱ俺は、抜けるわ。悪いね沖田くん。」


着流しの裾を払い立ち上がる。


「今、一緒に居る女… 本当は旦那の事が目当てだったんですがねぃ。」


えっ、今、何と?!

「旦那は自分ではモテないと、想ってるみたいですが… イヤイヤ、なかなか、結構、」

へっ?!なかなか?結構?って、誰がァ?

「土方コノヤロォは、旦那を気に入ってる女を、片っ端から… 」
「片っ端から、何だよォ、」
「自分のモンにしてんでさぁ。」あーぁ、やれやれと、いった感じに沖田は手を挙げた。


「へっ?だけど何で?そんなんしなくても、充分なほどモテモテでしょうがァ!」


「なーんか、癪に触るとか言ってやした。」


へっ、はぁっ、うっ、癪に触る?意味分かんねぇ!分かりたくもねぇけどォ!っつうか、俺が恐ろしくモテなかったのは、あのスケコマシのせいだったのかァァァ!ねぇ、誰か嘘だと言ってェエ!


「このままじゃ、総てあのヤロォに持ってかれちまいますが、いいんですかぃ?」
「やりましょう!全力でェ!腐れマヨを確保しますゥゥ!」


覚えてろよ!やってヤンよ!男として二度と、立ち上がれないようにしてやるからなァ!








………、って、沖田くーん。やっぱり、コノ作戦はないっしょ…。


現在、俺は宿敵であるマヨの隣で寝ている。とゆうか、侵入している蒲団の中にだ。


目の前に土方の顔があり、規則正しい寝息を立てている。??どー考えても?おかしいよね?


沖田の作戦はこうだ。まず、土方の飲む酒にちょーと、眠たくなる薬を容れる。沖田曰く一生起きなくていいくらいの、分量を容れたいと言ってた。


そんで、土方が床に就いた所で俺が、女の代わりに横に居て、朝起きてあれェ?俺、えっ、えぇッ!マジで!てぇ時に俺が、涙流しながら、俺は、大丈夫、忘れようみたいなァ、感じでェ?


大っ嫌いな俺とまさかの?!で、アイツは二度と立ち上がれなくなるだろう。略して立つなァ!立つなァ!土方ァァ!作戦だと沖田くんが、言ってた。





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