A

□絡まる絲
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鋭く闇を
切り裂く光
地面に堕ち逝く
鈍い音
宙を舞う
朱い、朱い色に
心躍る



頬に微かにヒンヤリとした物が当たった。真っ暗な空を見上げ



「… 雪、 か…。」
「どうりで、冷えると思ったでごさるよ。」


万斉が刀を終い呟いた。高杉は刀に着いた朱い物を、振り払い鞘に終う。


ヤケに地面に朱が映えると思ったら… 高杉は白に散った朱を脚で、踏みつけ片口を上げた。


綺麗だ… 、アイツの様でゾクゾクする。こんな日は無性に欲しくなる。狂気にも似た甘い香りに、白い肌に浮かぶ朱を…


「万斉、俺は出掛ける。」
「………」


万斉に背を向け歩き出す高杉。


逢いたくなっちまった… あの銀色に…







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