A
□@
1ページ/9ページ
青天の霹靂… 、なのか… はたまた天と地が引っくり返ったのか…?
「ちょっと、良い話なのよ!銀さん見てよコレ!」
万事屋の居間で写真を広げ、楽しそうに微笑む近所のクソババァッッ!!(いや… 親切な老婆)
俺の目の前にあるのは、俗に言う見合い写真!この二十数年生きてきてェ!初めて、初めての経験ですゥゥ!!!
「ほらぁ、綺麗でしょ!銀さんには勿体無いくらいの人よ。」
「はぁ… 」
ペラペラとよく喋る親切な、老婆の話を要約するとだなァ…
どコゾの老舗の娘がコノ俺に惚れて、何とかしたいとこの老婆に、泣き付いて来たらしい…! ってマジで!!俺がビックリだわ!
「逢うだけ逢って見てよ。ねぇ銀さん。」
別に逢うぐらいならいいけど… 俺には…
「神楽ちゃんと新八君、それに定治ちゃんの事もちゃんと分かってるから!全て承知で銀さんとって、相手の方は言ってくれてるのよ」
私の顔をたてると思ってねっと、頭まで下げられりゃ、断る事も出来ず見合いする羽目になった。
ッテか?本当に俺なのかァ?イヤイヤ!ドッキリだろコレ!間違いない!ドッキリですよねェェェ!!カメラ出てくンじゃねェ!
クソババァが帰った後、机の下 ソファー 寝室 押し入れ、汲まなく探したがカメラは無かった… 。マジですかァァ!!!!
でも、本当はァ!俺ってイケテるんじゃねェ!基は良いと思うんだよね!ここら辺で身を固めるのもアリかもなァ…
町をフラフラと歩けば前から見知った顔。
「あっ、」
「おっ、」
いつものコースで甘味屋へ。白玉を口一杯に頬張る。幸せだ!
「ったく!何でいつもテメェと、顔を合わせりゃ甘味屋何だよォ!」
煙草に火を点け一呼吸置いてから、マヨコーヒーをズッズッと啜る。
「何でですかね?」
「それも俺の奢りだしよ。」
だって、銀さんお金無いものォ…。と笑顔で言えば、紫煙をおもっきし顔に掛けられた。
ウッ!テメェ!目を擦る。
「何すんだよォ!もう銀さんとこんな風に、逢えないかもよ!」
「はぁっ?何言ってやがる。」
一応、言っておいた方がいいよね… 。だって、コイツとはその、何だ、ちょっとした間柄ミタイナァ?
「あのさ、俺…、見合いする事になった、っつうか… 」
「見合い!?マジでかァ!」
「… あぁ… 、それで、」
「良かったじゃねぇかァ!テメェも等々、年貢の納め時だなァ。まぁ、気張れや。」
何だよ…、気張ればってェ!
「こうやって逢うのも、最後。今度よォ紹介しろよ。楽しみにしてっから。」
「あぁ。ビックリすんなよォ!スゲーェ別嬪だからなァ!」
土方は伝票を取り席を立つ。
「ンじゃ、今回限りだなァ、お前に奢ンのも。まぁ、テメェが誰と何しょうが、俺には関係ねぇがなァ…。」
耳の奥がキィーンと鳴る。そっ、だよなァ…俺は何を期待してたんだ、アイツは正しい言葉を言った。
土方の背中を見詰めバイバイ。
それからは町で土方に逢っても、お互い視線を合わせる処か、会話も喧嘩さえもしなくなった。
最初の出逢いよりも最悪だ。アイツは俺の存在を消しちまったんだ。
→