A

□承諾
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目が醒めた。鼻に衝く僅な煙草の匂い。躯を少しだけ起こし、煙を辿れば真っ黒なアイツが、格好良く上着を羽織るのが見えた。


あぁ… 、もういっちまうのか…


昨夜、約束もしていないのに土方が、フラリと万事屋に来た。子供達も丁度居なかったので、中に招き入れ久し振りの土方の匂いに酔った。



躯は悲鳴を上げているのに、心は満たされてるなんて、とんだ笑い種だ。



まだ夜明け前、寝ている俺を置いて出てくんだ。何時からだ寂しいとか、もっと一緒に居たいとか、躯だけじゃ無く心も欲しいと… 、想うようになったのは… 何時からだ… コンチキショ

煙草の煙が濃くなる。見上げれば土方が加え煙草で、俺を見下ろす。


「珍しいなぁ、テメェが起きてるなんて。」

クシャリと銀髪を撫でられる。 んっ、と瞳を閉じ大好きな大きな掌の、温かさに集中する。だって今度はいつ逢えるかって… 分からねーから…


立ち上がる土方の袖口を思わず握った。土方の瞳孔が開く。

ヤッベ!!!


慌てて手を離し蒲団に潜り込んだ。


「煙草臭ェんだよォ!子供等に文句言われんだよ!早く出てけ!」


「悪ぃ。」


違うんだ… 本当はもっと一緒に居たいんだ… ムリだと分かってても、 なぁ…


俺とはダダの爛れた関係だけど…外に出ればお前には、女が居ることだって…知ってるたまに香水の匂いを…纏って来ることも…お前は気付いて無いかも知れないが…


普通は女相手だったら、その辺も気を使うだろうが…流石に男相手だし、ヤレればどうでも良いんだろうけど…


蒲団を頭から被りウジウジ考えていたら、瞼が重くなった。






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