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□あの日
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何が起こった… 俺の目の前でェェェ!!!総悟が銀時のあんまん食って… 総悟が銀時の食べかけのあんまん食って… それってつまり…




「んだよ。多串。何?」


「…あっ、あぁぁあん…んんまん…」



「へっ?あんんまん?」

銀時は手に持つあんまんと、プルプル震える土方を交互に視て、何かを納得した様に頷いた。



「んだよ。欲しいんならよォ。早く言えよ。ほらぁ。」



銀時は土方の口にあんまんを当てるが沖田が一言。




「旦那ぁ。土方さんが食べちまったら、俺と間接キッスになっちまう。止めて下せぇ。気持ち悪リィ。」



「んっ。そうか」



そうだ。かっかかかかか間接キッスゥゥゥゥだァアア!!!



仕方ねーなぁ。銀時は呟きあんまんを、自分の口へと運ぶが土方により、それは制止されあんまんは、土方の口の中へと運ばれた。



「んなぁっ!!!多串ィィイイ!コノヤロォォオ!なーにしやがんだ――――ァア!俺のあんまん――んん"!」



銀時は土方の肩を揺らし、怒鳴りつける。土方はお構い無しに、むしゃむしゃとあんまんを食い尽くす。



悲痛な銀時の叫びが、歌舞伎町に木霊する。




「返せ―――ェェェ!何、ねぇ、そんなに嫌いなの銀さんの事ォォオ!!!」



土方は銀時の言葉を無視。俺は断じて甘い物は好きじゃねー。好きじゃねーが…



なぁ、銀時… 初めて肌を合わせた日がもうじき、やって来るがテメェは覚えてるのか… あの日の事を…












「あれぇ? 副長ぉ。出掛けないんですか?」



山崎が土方の背中に声を掛ける。土方は小さく肩を揺らし、後ろを振り返った。



「あ? 」




山崎はにっこりと笑い



「副長ぉ。何、ボーっとしてんですか!明日は休みだから、今日の夜から出掛けるって、言ってたでしょ。」




「あぁ、そっ… だったなぁ。」




土方は頭を掻き苦笑いで、山崎の横を通り過ぎ、夜の歌舞伎町へと足を運ぶ。




ふらふらと歩くが確実に、足は行く宛に向かう。約束をした訳ではない。ましてや相手が覚えているとは限らない。



だが、逢いたかった顔が視たくて堪らなくて。




夜の歌舞伎町は華やかだ。すれ違う商売女に声を、掛けられたが聞こえぬ振りをする。


いつも利用する居酒屋の前に来ると、中から賑やかな声がした。その声には聞き覚えがある。土方は中を覗いた。



そこには今から逢いに、行こうとしていた人物が居た。土方の知らない人達に囲まれ、その人は笑っていた。




「… っぅ… 」



この日を覚えていて欲しいとは、想っていなかった… ただ出来れば二人で酒を飲み、一緒に居たいと想っていたのに…



それだけでもいいと… 想っていたのに…



土方は自傷気味に笑い、踵を返し来た道を帰る。




寒さが心に突き刺さる。溜め息を吐けば白い煙が消えていく。



屯所に入り煙草を取り出したが空っぽで、空袋を強く握り締め小さく舌打ち。



自室に帰る気が起こらず、散歩がてらに煙草を買いに行こうと、向きを変えたが足が止まる。



土方の自室に灯りが点いていたから。



総悟のヤロー!人がいねー時にまた何か企んでやがんなぁ!


土方は自室の障子を勢いよく開け



「総っ悟ぉ!テメェ!… … はぁっ、?」




中には沖田ではなく意外な人物が居た。





「… 銀、時ィ… !」





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