A

□可愛い恋人
1ページ/5ページ




乾いた音が店に響く。目の前には頬を叩かれ、苦痛に歪む顔。次には突き刺さる程の、鋭い視線を返し胸倉を掴む男前がいた。



「テメェエ!!!どーゆう事だァア!平手打ちっつうのはよォオ!!」



「うっせぇ!知るっかぁってんだァア!もう、テメェとは金輪際、関わらねーよォオ!」



「あ"ぁん!!!上等だァア!ゴラァア!テメェなんぞは、コッチから願い下げだァアア!」



胸倉を掴む土方の手を銀時は払いのけ



「はぁあん!その言葉そっくり、テメェに返すわァア!」



静だった甘味屋はざわめく。この町で銀時と土方の関係を、知らぬ者など今更…居ない… 周りは何時ものバカップルの喧嘩だと、素知らぬ顔をした。



銀時は土方の瞳を一度も視ずに、店を出て行った。残されたのは、食べかけのパフェと、怒りに震え頬をさする土方のみ。





久しぶりの逢瀬だった。本当に久しぶりだった。逢いたくて逢いたくて、直ぐにでも抱き締めたかったのに…



だけど、その前にアイツの甘い物を食べている時の…幸せそうな顔を視たかっただけなのに…



何故… !?こんな事になったんだ…









次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ