B

□これからも。
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走る車の中エンジンは静かなのに、やけにテンションが高い山崎の、喋りが続く。


左から右に流す。たまにコクりと、頷きを返すだけ。


後、小一時間もすれば新しい年になる。神社の警備の交代が早まり、これから屯所に帰る所だ。


「ねぇ、副長?」
「… あ、」
「もう聞いてました!俺の話しぃ。」


煩い。

「ここを曲がれば…」
「止めろ!」
「へ!?」
「止めろっつってんだよぉ。」


は、はい!山崎が急ブレーキをかけた。 土方は足早に車から降りる。
後ろから聞こえる、山崎の声などもう届きはしない。


煙草を取り出し火を点け、肺に煙を吸い込んだ。ふと、見上げた先にはふざけた看板がある。


 万事屋銀ちゃん

口端を上げ苦笑い。階段を上り灯りは消え、主の居ない玄関前に腰を下ろした。

吐く息は白く寒さが身に凍みて、独り膝を抱える。

あいつは今頃、何か頬張ってるんだろうか?口の回りに色んなモン付けて、みんなと楽しく笑ってるんだろうか?

もうすぐ新年が来るってゆうのに… 俺は、なにやってんだかなぁ…


小さな言い合いからいつものように、デカイ殴り合いになって… 素直に謝れない自分に腹が立って、でも、逢いたくて…

「はぁ〜、なにやってんだか…」
「ほんと、お前、何やってんの?」


え!?

顔を上げれば今一番逢いたい奴がいた。

「ぷっ、なんっー顔してんだよ。」
「は、へ?!」


目の前の奴は照れ臭そうに、ポリポリと頸を掻き


「あー、んーと、!!おわっ!ちょ!」
「銀!」
思いっきり抱き締めたら

「く、苦しいだろ!いきなりやめろこのばか」


文句は言うものの、引き離そうとはしない。さっきまでの寒さなどどこえやら、甘い匂いとコイツの温もりに安堵する。

だが…

「何で俺が居るって、」
「それは、ほら」


下をクイッと指差す。


ああ、成る程。

下には先程まで乗っていたパトカーが、定員オーバーで止まっていた。運転席の山崎が埋もれてる。

「土方さん、今年は殺りそこなったんで、来年こそは死んでくだせぇ。」

「てめぇが死ね!」
「トシぃ!「黙れゴリラぁぁぁぁ!あらぁ、土方さん銀さん、来年こそはこのゴリラ殺してね!」

「…無理だから…」
「銀ちゃん、あんまりアンアン言うんじゃないヨ」

「言わね―よぉ!」
「土方さん銀さん、来年もよろしくお願いします」

「よろしく」

「旦…」


ジミーがまた埋もれた。最後まで残念な奴だ。

ギャーギャー言う連中に、来年もよろしくと二人で言う。


車は蛇行運転で走り去る。


玄関の鍵を開けながら銀時が


「お前が警備する境内にさ行く途中で、ジミーが教えてくれたんだよ。ここで下ろしたって」

開かないと思っていた戸が

「だから、引き返して… 」
「悪かった… この間は」

背中越しにぎゅっと抱き締める。


「俺だって、悪かった…し、」

殴り合い、喧嘩上等それが俺達のコミュニケーションだけど、たまには照れ臭いけど

「「ずっとよろしくな」」

二人同時に… なんて
ぶっ、二人顔を見合わせて笑った。


殴り合い、喧嘩上等それが俺達のコミュニケーションだが、

「銀時、死ぬまでよろしくな」
「殺しても死なねーよ、てめぇは」

頸に手を回され口付けられた。





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