B

□リサイクル。
1ページ/1ページ



「銀さん、コレはいりますか?」
「ん、いらねー。」
「銀ちゃんコレいるアルか?」
「あー、いらねー。」

万事屋みんなで大掃除。


「しかしこう、いる物いらない物を分けて、大半がいらない物だなんて、僕らいらない物の中で暮らしてたんですね。」

「新八くーん。人生ってそんなもんさ。いりそうでいらないその中で、俺達は生きてる。でもな、本当にいるもんなんて…、この掌に収まるぐらい何だよ。」


いや、ちょっとかっこよく決めたみたいだけど、ドヤ顔なんすっけど!


「銀ちゃんコレ、」
「そりゃ捨てろ!間違いなく有害物だ。直ぐに地中深く埋めてこい。」
「ラジャー。」

「ゴミじゃねー!」

あ、土方さん。

「じゃぁ何なの?歩く猥褻物なの?」

銀さんやめて下さい。

「俺は銀時の彼!フッゴォォ!」

銀時の蹴りが綺麗に鳩尾に決まった。


「神楽。やっぱ地中じゃなくて抹殺。」
「ラジャー。」

「ラジャーじゃねー!」

玄関の枠に掴まり必死に抵抗する土方さん。哀れだ…。

「神楽ちゃん、やめなよ。土方さんすみません。」

神楽ちゃんを酢昆布で釣り土方さんから引き離す。銀さんは知らん顔で分別に勤しんでいる。

「お前ら何やってんだ?」
お茶を出し
「ああ、この近所に最近リサイクルショップが出来たでしょ。それで売れそうな物を仕訳してるんですよ。」

へぇ、と土方さんは銀さんの横に座り箱の中身を見ている。


「………」
「………」
「………」
「何、」
「銀、時、…おまおま、」
「だから何なんだよぉ!」

土方さんの躯が震えだして
「こ、こここここここれぇを売るのかぁあ!!」
「耳許ででけー声出すなよ。売りますが何か?」

いや、いやダメだろぉ!ダメですぅ!!
銀時がリサイクルに出そうとしている物を手に取る。

「よーし。新八、神楽。行くか。」
「ちょと待て、」
「「「はい?」」」
「いくらだ。」
「「「は?」」」

こんなお宝を売るだとぉ!!神は許しても俺が許さないよーん。

「で、いくらだ。」

銀さん、僕と神楽ちゃんの白い眼差しなんて、もろともせず土方さんの瞳孔は凄まじいもので…。

「ななに、言ってンの土方くん?!これは、」
「だから、いくらなんだよぉお!!」

必死だこの人ぉ!たかが銀さんのガラクタに必死に食らい付いたぁ!

「いらないモンだよ…、土方ァ…。」
「そうアルな。このイチゴパンツとこのぐうたら付けって、ざっとこのぐらいで。」

ええ!!神楽ちゃん!!うお!!神楽ぁあ!!

「買った。」
「「ええええええええええ!!」」
「毎度あり♪」

何時の間にやら土方さんと神楽ちゃんの間で商談は成立し現在 、僕と神楽ちゃんは焼肉屋に居る。

「新八、早く食べるネ。美味しいアルよ。」

銀さんを犠牲にして僕らだけで焼き肉なんて…、

「あいつらは…、モグ、ちちくり、ハグ、合いたい、ング、だけネ、あんあん、銀ちゃんが言えば、モグ、幾らでも金出すヨ。」
「神楽ちゃん、やめてぇ!!女の子がそんな事、言わないのぉ!」
「なーに、モグ、言ってんでぃ。ハグ、金あんだ、ング、食わなきゃ損ってもんでぃ。」

沖田さん!!何時来たぁ!あぁ…、すみません銀さん。焼肉美味しく頂きました。

それから事あるごとに神楽ちゃんは土方さんに、銀さんグッズを売に行っている。その度に僕と神楽ちゃん(沖田さん)は美味しい物を食べられるけど、銀さんの方はやつれていってるような…、気がしないでもない。

今日も小さな銀さんの悲鳴が…、聞こえたような…、聞こえないような。







[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ