短編
□ホワイトデー
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銀時はへたり込んだ
アイツは…何しに来たんだぁ…それに…銀時さんって…言いやがった…クソッ#
唇を拳で擦る。口の中は甘く…でも何だか…すっぱくも感じる…
何で…俺の周りには…
あんな馬鹿ばっかなんだよ!
たくよ#命が幾つあっても…足んねー
悪戯が過ぎたかなぁ
でも、あの人が悪い
俺の獲物なのに…
神威はそっと唇を、指でなぞりほくそ笑む
足取りは軽快で、普段は嫌いな太陽さえも…今の神威には暖かい…あの人に似てるから…
傘を少しだけ上げ前を見る
スカイブルーの瞳に飛び込む、黒く輝く光り…本当だ…男前だね…お兄さん…
あの人の…眩しい…
綺麗な光りを…
独り占めするなんて
やっぱり… 殺っちゃっても…いい…かな…
煙草を吹かす姿は…粋で…あんな甘い唇に…苦い唇を…付けるの…
許せない…よ…
だから…
今…
此処で…
黒を…
赤く…
染めようか…
瞳孔が開きスカイブルーの瞳は、黒き獲物を捕らえる
走り出した…
グルリと視界が反転する…
「団長!どこに行ったかと思えば…こんな所でお遊びとは…いけないねぇ」
逆さ吊りの状態で阿伏兎は、神威を見る
「何だよ#阿伏兎!お楽しみを、奪う気なの?」
「上層部からの呼び出しだ!団長」
「そんなの、阿伏兎が何とかしてよ」
「オイオイ!今の大将はお前さんだ、いないと始まらないんだよ…分かるだろぉ!団長」
神威の瞳はまだ戦闘の色をしてる
「この間の事もある。余り事を起こさないでくれよ!言い訳を考えるのに…このままじゃハゲちまうぜ」
神威はニッコリ笑い
「しょうがないね!阿伏兎にはまだまだ役に立ってもらわないと、困るしね。」
ポンと阿伏兎の肩を蹴り体制を整えた
「阿伏兎…楽しみは取っとく事にするよ」
「あぁ…そうしてくれ!」
スカイブルーの瞳は黒い光りを見送る。
バイバイ… お兄さん…
次に逢うまでに…
沢山の思い出作ってね…
まぁ… その思い出さえも…
粉々に… 砕いてあげるよ…
貴方… ご…とね
神威は踵を返し自分の帰る場所を目指す
「阿伏兎…何の呼び出しかなぁ?」
「さぁな…お偉いさんは…気紛れだからな…」
「そうだね!楽しませてくれるなら、何でもかまやしないけどね!俺は」
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