MAIN(長編)

□A
1ページ/15ページ


後ろを気にしながら 息を切らし 逃げるように 走る男がいる

辺りは 少し夕闇に 包まれていた…


裏路地に 身を隠し 息を整える

(ハァ…ハァ…チキショウ…)
息を殺し 暗闇になるのを 待つ




ジャリ ジャリ

誰かが 近付く音がする


ジャリ ジャリ

(ヤベェ… 真選組か…)


更に 息を殺し 相手を確認する


「こんな所で、何をしてるで ござるか?」

男は 声の主に 驚いたが!

「あぁ…良かった…オイラはてっきり、 真選組のヤツらかと…万斉さんでしたか」

「…真選組!…?」

逃げていた 男はヘヘッと 笑い

「いや、万斉さんに 渡された あの爆薬の威力に、ちょいと 驚きましてね!」

「…………………」

眼の前の男は 何も言わない

隠れていた男は 辺りを 警戒しながら 男に近付き

「それで、量を間違えたにしては 腑に落ちねぇと 鬼の副長が 取り調べを 始めましてね!!」

男は 生唾を飲み込み また話し始めた


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ