つめこみ。

□君は俺を苦しめる
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「ゆーじろー!」

「ぬーやがよ?」

「まじゅんかーえーろー。」

「ひっちぃーまじゅん帰っちょるだろ。」


【君は俺を苦しめる】


珍しく部活のない今日は、裕次郎を誘って下校デート。
まぁ、デートとか言ってもこいつはいつもの事なんだろうけど。


「あっつー。」

「からじ切れ。」

「わーじらへんでするお団子して、お団子!」

「はいはい。」


木陰に入って裕次郎にゴムとピンとクシを渡す。
それを当たり前のように受け取って、俺の髪をとかしてく。


「でっかい団子が良いやー。」

「りょーかい。」


器用に逆毛をたてて、上手に団子にしてく裕次郎は最早プロにしか見えない。

わさわさと俺よりも少し大きい手に髪をさわられてると、気持ち良くてつい錯覚してしまいそうになる。


「裕次郎にからじさわられるとちむぐくるちゆたさん。」

「そういうぬやいなぐに言えよ。」


恋人同士みたいだって。


「…いなぐとかいらねーし。」


彼女なんていらないから、お前が欲しい。
お前の恋人になりたい。


「うわ、むかつくぬぅうぬ余裕発言。」

「余裕とかじゃねーんって。」

「凛ぬ好みぬいなぐがうらんとか?」

「だぁるなぁ……うんぐとぅるいなぐうらんかもな。」



だって、俺はもうお前しか見れないから。



「とか言いながら、やーはいちまん最初ににぃーびちとかするタイプぬぅがろうな。
やい、デカ団子出来上がり!」

「おぉー、相変わらずすげぇな!にふぇーでーびる、裕次郎。
んで、わんにぃーびちとかさんと思うぜ。」

「興味ねーらん?」


結婚とか言うなよ。
出来る訳ねーじゃん、そんなの。

恋人にもなれないのに。
友達でいるだけで精一杯なのに。


「ん、興味ねーらん。」




世界は俺を苦しめるばかり。


(わんと付き合ってひちゃさい……なんてあびたら、やーはどう思うぬかな?)







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