Short Novel

□チョコより甘く
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放課後の教室で、カレンはずっとイライラしていた。その理由は一つ、ルルーシュだ。
「なんなのよ、もう・・・。」
カレンは一人呟く。ルルーシュが女の子に人気があるのは知っている。だから今日のこの日、2月14日にルルーシュのもとにチョコが集まるのは、当然といえば当然、なんだろうけど・・・。
ただ「彼女の私がいるのにあんなにホイホイと・・・。」っていうのがカレンの気持ち。事実、カレンとルルーシュは今日一度も話していない。なぜかって何時もルルーシュの周りは女の子でいっぱいだから。近付こうに近付けないのだ。
特別料理が上手くないカレンだったが、一応チョコは作ってきた。けど、あんなに沢山のチョコを貰ってて、なんだか私のなんかどうでもいいんじゃないかと思ってしまい、未だにあげてない。
「あぁ!もう帰ろう。」
そういってカレンは教室を出ようとドアに手を伸ばす。だが、カレンが触れるまえにドアは開いた。それは反対側からルルーシュがドアを開けたから。
カレンは今一番会いたくない人にあってしまい、顔をしかめる。そしてルルーシュを無視して教室を出たら、ルルーシュに腕を捕まれた。
「何よ?」
あからさまに語気を荒げて言うカレンを見、ルルーシュは顔をしかめた。
「何をそんなに怒っているんだ?」
「別に。何も怒ってないわよ。」
そういいつつも明らかに怒っているカレン。
「じゃあ何故そんな態度をとっている?」
「私はどうせ元からこんなよ。」
そういってカレンはルルーシュの手を振りほどき、スタスタと行ってしまった。一人残されたルルーシュはただカレンを見送る事しかできなかった。
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