ー外伝ー【もう一人のトラブルシューター】

□第4撃【伝説の星・4】
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池袋駅西口の混雑を抜けて、要町通りにはいった。

神宮寺が監禁状態にあるマンションは、要町の一丁目の赤札堂の裏手にある白いタイル張りの建物だった。

あたしたちは少し離れた道にクルマをとめて待った。

約束の時間にミレイがおりてくる。

コンビニにかいものにでもいくといって、あたしたちを手引きするようにいってあるのだ。

ミレイは霜降のトレーニングスーツ姿だった。

スタイルのいい女の人は何を来ても似合うものね。
髪はひっつめで、緊張で頬骨が鋭くとがってみえた。
バックコーラスの女はあたしたちのクルマに気づくと、ゆっくりとそ知らぬ顔で近づいてきた。

スモークを張ったウインドウがおりていく。
クルマの陰にはいるとミレイがいった。

「玄関ドアのところにひとり、廊下の奥のリビングにタカさんと残りふたりがいる。みんなお昼ごはんのあとで、リラックスしてるよ」

あたしは声を殺していった。

「オーケー、じゃあ、コンビニでなにか買ってもどってきて。あたしたちはマンションの入り口で待機してる」

「わかった。」






もどってきたミレイのてにはコンビニの白いポリ袋があった。

ペットボトルの中身は流行のアミノ酸飲料水のようだった。

「皆ぬかるなよ?」

紅さんが息を潜めて待機してるSウルフのメンバーに声をかける。

「…あの…なんでトップがあたしなんですか?」

そう、なぜか切り込み隊長である紅さんはあたしの後ろにいて。

あたしはミレイの後ろでいる。

「お前の仕事だ。お前が頭を張れ。」

背中にタカシさんの冷たい声が刺さった。

「は〜い…」

女に切り込み隊長をやらせるなんて人使いの荒い王様…。

紅さんが笑いながらいった。

「ところでさ、リッカ。」
「なんです。」

「たまにはフリフリの下着とか着けないのか、ただの白だと、色気ないぞ。」

「安上がりの方がいいんです。てゆーか見ないでくださいよ!」

あたしは頬を膨らましてバッとプリーツスカートを押さえた。
全員が小さくわらう。

「おふざけはその辺りにしろ。」

タカシさんの号令で皆、頭のスイッチが切り替わる。
鶴の一言ならぬ虎の一言。

ミレイがオートロックの鍵を開けると、あたしをふくめて十一人のガキがあとに続いた。

半分の男たちが四階の部屋を目指して、非常階段をやわらかなソールの靴で音もなく駆けあがっていく。

あたしとタカシさんはミレイと一緒にエレベーターをつかった。

404号室の外廊下にSウルフのメンバーが整列した。
合図でいっせいに黒い目だし帽をかぶる。

異様な光景だった。

ミレイはあたしたちがうなずくと、ただいまといって玄関の鍵を開けた。


次の瞬間、ドアは勢いよく全開にされてSウルフが雪崩れ込んでいった。
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