【オリジナル小説】
□Black†Jack
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「これで何人目だ?ベン」
ブルーシートを摘み上げ、包まれた“それ”を怪訝そうな顔つきで見る無精髭を生やした中年の男。
「九人目です。ウォレック警部」
まとめられた報告書をめくり、ウォレックと呼ばれた男に答える後輩警官のベン
「害者はこの辺りで商売をしていた。娼婦のマチルダ・ホスキンス27歳、致命傷は上半身と下半身を引きちぎられたことによる大量出血ちなみに臓器は根こそぎ持ってがれてますね…」
「また、同じ手口だな」
口にくわえた煙草に火を点けると、紫煙を吐き出し空気と混ぜる。
「やはり“悪魔”の仕業ですかね警部?」
確信を突くかのようにベンは慎重な面持ちで先輩警官であるウォレックに問う
もし、この事件に“彼ら”が関わるのであれば警察官である自分達では対処ができない。
「…間違いないだろうな。」
「“彼ら”を呼ぶのですか?」
「仕方ないだろ。ここまでされて、殺人鬼が捕まんないとなると俺らの評判が悪くなる一方だ。お偉い方はそれを許さない…専門家様に任せるしかねぇさ」
おちゃらけた口調でいうウォレックだが、その目は屍を見つめ静かに揺れていた
「くっ…。では、上に連絡を…そのあとに彼らに依頼します」
苦虫を潰したような顔をするベン
警官でありながら悪魔が相手だと自分達には何もすることができない。
「“アンダーブレイカー”奴らが来るか……」
煙草をくわえたウォレックの言葉が冷たい空気の中に響いた。
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