悪夢

□晩餐儀式
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 最初は、



「あのさー」
「何じゃ金時?」
「銀時な。聞きたいんだけど『普通』ってどういうモンだと思う?」
「大多数の人間が違和感を感じないこと、だな」
「それから少しでも外れたら『普通』じゃなくて『異常』ってワケだ」
「あーあーなるほどね。道理で、戦争で人を殺すのは普通なはずだ」
「んじゃ、普通のことをやっとるワシらは凡人ってことかのー」
「凡人も凡人、俺達は人間の見本市みてーなモンだろ」
「見本市……ハハッ。寄ってらっしゃい見てらっしゃいってか?そいつァいーね」
「して銀時、これで話しは終わりか?今日は早く寝て、明日に備えようと思うのだが」
「まさか本陣とはぐれるとは思いもせんかったのーアッハッハ」
「アッハッハじゃねーよ。お前が原因だろ」
「あーいやいや、話しはまだ終わってねーんだよ。つーか、こんな空きっ腹じゃ寝れるもんも寝れねーし」
「そうは言ってもな、冬の山に食糧はないと思うぞ」
「この洞窟も動物なんていねーしなァ」
「っていうかさっきから何言ってんだよ。あるじゃねえか、食糧なら」
「ああ」
「なるほどな」
「言われてみればの」
「そういうこった。で、どうする?平等にジャンケンでもして決めて、どこの部分かは話し合うか?」
「そうだな。そうしよう」
「腹が減っては戦はできぬってか」
「そうと決まれば、いくぜよ!」

「「「「じやーんけーん」」」」

「「「「ぽん!」」」」

「高杉の負けだ!」
「高杉の負けだ!」
「高杉の負けだ!」

 次の日から高杉は片目になった。




 


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