テニプリ1
□サプライズ
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自分の誕生日を忘れるほどバタバタと忙しい大石は、今日が誕生日だと気づいてない。
それは放課後の帰り道。
俺と大石は一緒に帰っていた。
「ついにあと一週間になったな〜。」
俺はそんなことをつぶやいた。
「一週間後に何かあるのかい?」
「え…?」
拍子抜けだった。
大石、自分の誕生日を忘れるなんて…。
俺だったら自分からプレゼントをせがむのに…。
…と思っていると、俺の脳裏にある考えが浮かんだ。
「英二?」
俺の異変に気づき、大石が心配そうに呼んだ。
「いや…、何でもないよん☆」
いつものように元気に笑った。
次の日、朝練の為に部室に行くと、大石がちょうど着がえ終わっていた。
「英二。おはよう。」
「ん?あ、大石、おはよ〜!」
「着がえ終わったら、ボールを運ぶの手伝ってくれ!」
「あ…うん、わかった〜!」
そう言い、大石は部室を出ていった。
それと同時に、他のメンバーも入ってきた。
「おっ!英二先輩早いっすね〜!」
桃がデカイ声を出して言った。
「みんな〜!グットタイミング!!」
「どうしたの?何かあったの?」
不二が鞄を置きながら言った。
「あのね、もう少しで大石の誕生日だろ?だから、大石に秘密でみんなで誕生日会したいんだ〜!」
俺は目を輝かせながら言った。
「いいんじゃないかな?大石もきっと喜ぶよ。」
俺の提案にタカさんが賛成してくれた。
「だろ?!じゃあ大石の誕生日の30日、放課後に部室でいい?」
「ああ。たまには、息ぬきも必要だ。」
よし!手塚もOKしてくれたし、楽しみだな〜。
そしてついに30日。
俺たちは大石が来る前に来て、部室のかざり付けなどをした。
「そろそろ大石が来るころだ。」
乾は時計を見ながら言った。
ガチャ…
「「「「「「「「お誕生日おめでとう(ございます)大石(先輩)!!!!!!!!」」」」」」」」
「うわぁ!?」
びっくりした様子で大石は俺たちを見る。
「……はぁ〜びっくりしたな〜…部室のカギが無かったから焦ったんだが…お前たちだったのか〜…。」
「ひひぃ!大石今日が誕生日だって事、忘れてると思って!!」
二カッと笑う俺。
「…そうだったな…。ありがとう、みんな。」
大石の笑顔は、作り笑いなんかじゃなく、本物の笑顔だった。
「ホントにおめでとう!大石!!」
俺はみんながいる前で大石に抱きついた。
「こらっ…英二!?」
顔を真っ赤にして大石が俺を見る。
「おお〜!英二先輩!見せつけてくれますね〜!」
桃が面白そうに言い出した。
「へへ〜!だろ?」
桃の方を向いたあと、さっきよりもきつく大石に抱きついた。
「…まったく、英二は…。」
大石は俺の頭を優しく撫でてくれた。
すごく心地よかった。
誕生日おめでとう
これからも、俺だけの恋人(パートナー)でいてくれよ!
END