テニプリ1

□不二の病
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『英二!夏休み始まってすぐに、家族で2週間旅行に行くんだけど、お土産何がいい?』


いきなり不二からそう言われた。

付き合いだして、毎日のように会っている俺たち。

それなのに2週間も会えなくなるのは少し寂しい。




不二が旅行に行ってから1週間が立った。

「もう1週間か…。あと1週間も会えないのか〜…。」

1週間立ってもかなり寂しいのに、もう1週間も会えないのは正直嫌だ。

「う〜…。このままじゃ俺、病気になるよ〜。」

不二を思って病気になる…“不二の病”か…。

「早く会いたいにゃ〜。」

家のベッドでそんな事を考えていると、いきなりケータイが鳴った。

「うわっ!びっくりした…。…もしかして、不二かも…?」

少しワクワクしながら電話に出た。

「もしもし!?」

「あっ!英二先輩っスか?桃城っス!!」

電話に出ると、不二とは真逆のデカイ声の主だった。

「なぁんだ…桃か…。」

俺は少しがっかりした。

「なぁんだって何スか〜。…まぁいいや!これから越前とカラオケ行くんスけど、英二先輩も来ませんか?」

「ん〜…俺はパス…。そんな気分じゃにゃいんだ〜。」

「え!?英二先輩が断るなんて…何かあったんスか?」

桃は少しびっくりしたような声で言った。

「いや!何もないよ!!…んじゃね〜。」

少し慌てたように電話を切った。

「はぁ〜〜…俺って、こんなに独占欲強かったっけ?」

いままで考えたこともなかった…。

するとまた、ケータイが鳴った。

「…また桃か…?」

そう呟き、今度はだるそうに電話に出た。

「はいはい…。」

「英二!元気?」

電話の声はなんと不二の声だった!

「ふ、不二!?」

あまりにも嬉しくてつい、大声を出してしまった。

「?どうしたの?そんなに大声出して…。」

「!!ううん…にゃんでもない!!…で、不二どうしたの?」

「実はね…姉さんが急に仕事が入ったって言ってね、僕も早く英二に会いたいから、姉さんと一緒に帰って来たんだ。」

「え!マジ!?」

うわぁ…思ってもみなかったことが起こった!!

「うん。でね、今英二の家の前にいるんだ。」

「え!?」

俺はそっと窓を見た。

すると不二がこっちを見て手を振っている。

「俺、すぐ行くから待ってて!!」

電話を切って急いで外に出た。

「やぁ。」

不二はにっこり笑って俺に言った。

「うわ〜ん!不二ぃ〜会いたかったよ〜ぅ!!」

俺は不二に抱きついた。

「もぉ〜…はい、お土産!」

「ありがとー不二〜!大好き!!」

さっきよりも強く不二を抱きしめた。

「あっはは!僕も大好きだよ!」

2人の愛を確かめ合い、不二を俺の部屋に上がらせた。














END

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