テニプリ1

□マフラー
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街中はクリスマスシーズン。

所々からクリスマスソングが流れている。

誰もが幸せそうな顔をするこの日だが、1人ムスッとする人物がいた。

「おい、何ムスッとしてんだよ!越前!」

そう、青学テニス部1年で、ただ今2年の先輩、桃城武と付き合っている、越前リョーマだった。

「…だって…自分の誕生日がクリスマスイブって、すっごい損してるじゃないっスか…。」

頬を膨らませて文句を言うリョーマに桃城は笑った。

「ははっ!まぁ確かにな…。でも、覚えやすいじゃねーか!」

「笑い事じゃないっスよ…。だいたい、自分の誕生日覚えてもらっても、あんま嬉しくないっス…。」

溜息をつきながらリョーマが言った。

「おいおい、それって俺にも誕生日を覚えてもらっても嬉しくないってことか?」

桃城の発言にリョーマは慌てた。

「ちょ…!誰も桃先輩のこと言ってないじゃないっスか!!」

必死で誤解を解こうとしているリョーマを見て、桃城はまた笑った。

「ははっ!冗談だよ!」

桃城はリョーマの頭をポンッとたたいた。

「ん…騙したんスか?…酷い先輩っスね…。」

「…っと…学校以外の所では恋人だろ?」

桃城は優しくリョーマの耳元で囁いた。

“恋人”と言う漢字2文字が頭の中でグルグル回って、心臓が破裂しそうなくらい鳴った。

すると空から白いものが振ってきた。

「お〜!雪だ!」

「ハックション!!」

桃城が空を見上げていると、リョーマがくしゃみをした。

「ん?越前、寒いのか?…だったら、ちょっと待ってな。」

そう言って、桃城は目の前にあったお店に入っていった。





しばらくして桃城が袋を持って帰ってきた。

「お待たせ!」

「…何やってたんスか?」

「…これ買ってたんだよ。」

桃城は袋からマフラーを取り出し、リョーマの首に巻いた。

「ほら、さっきよりか増しだろ?」

「先輩!こんなこと…。」

リョーマが申し訳なさそうに桃城を見つめた。

「誕生日プレゼントだよ!…んで、クリスマスプレゼントは…俺と一緒にいることだよ…!!」

少し照れながら桃城はリョーマに笑った。

「桃先輩…。ありがとうございます…。」

リョーマの申し訳なさそうな顔は、嬉しそうな顔に変わっていた。

「ハッピーバースデー!それと…メリークリスマス!」

「……メリークリスマス…桃先輩…。」

そう言って、2人は唇を重ねた。



















END

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