テニプリ1

□お風呂で○○!?
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「おーい!越前〜!!」

バカでかい声で桃城が走ってくる。

「そんなにでかい声出さなくてもちゃんと聞こえてるっスよ!」

半ば睨みながら越前が上目遣いで言う。

「ははっ!悪ぃ悪ぃ!…ところでよー、今日俺んち泊まりに来ねーか?」

「桃先輩んち?…いいっスよ。」

「よっしゃ!んじゃあ荷物用意したら後で俺んち来いよ!」

越前の頭をわしゃわしゃと撫でながら桃城は機嫌を良くした。

「んっ…!(頭撫でんなよ!)…んじゃあ早く帰るっスよ!」

桃城の手から逃れるように歩き出した。

「おお!」







桃城の家に着き、越前は桃城の部屋で漫画を読んでいた。

気づくと西に傾いていた陽がなくなり、代わりに月が見え始めていた。

「あれ?そういえばおばさんは?」

漫画を片手に時計を見ながら桃城に聞いた。

「ああ!今日は親父と旅行だとよ〜!だから帰ってこねーぜ!」

「…ふ〜ん…。」

それだけ言うと、また漫画に目をやった。

「んなことより、風呂入ろうぜ!」

桃城が漫画を取り上げた。

「ちょっ…!…桃先輩から先、どーぞ。」

少しふてくされて言った。

「一緒に入った方が時間短縮出来んだろ!」

「は!?」

目を丸くして越前が桃城を見た。

「心配すんな!今日はしねーから!」

「は…はぁ…。」

桃城にしては珍しい発言に戸惑った。

「(……いつもなら…!///////)」

いつもの桃城との行為を思い出し、顔を真っ赤にした。

「ん?何顔赤くしてんだよ?」

「っ!…な、何でもないっス!」

あまり桃城に顔を見られないようにさっさと下着とパジャマを準備した。









越前が髪を洗う頃には、既に桃城は髪を洗い終え、湯船に浸かっていた。

シャンプーやリンスがある場所は、越前の顔の辺りにあり、背の低い越前は使い辛そうにしていた。

「…使いづらい…。」

独り言のように呟く越前に、桃城は苦笑した。

「ははっ!お前可愛いな!」

「っ!…何言ってんスか…。」

シャンプーをしながら桃城を横目で見た。

シャンプーを流し終わった後、次はリンスに取りかかる。

やはり使いづらいのか越前が眉を寄せながらリンスのプッシュを押した。

「んっ…!!」

強く押しすぎて、リンスが越前の顔にかかってしまった。

「うっ………!」

急に桃城が顔を真っ赤にして俯いた。

「(おいおい…俺、何起たせてんだよ…/////)」

心の中で一人で焦る桃城。

越前の顔は白いリンスの所為で、妙に情事後を思い出させる。

一人焦っている桃城に気づいたのか、越前が顔を拭いながら桃城の顔を覗き込んだ。

「何顔赤くしてんスか?桃先輩」

上目遣いで、しかも顔には白いリンスがかかっている越前。

そんな越前を見てると、またもや反応してくる桃城。

「…い、いや…何でもねぇ!!そ、それより早く顔のリンス…流せ!!」

後ろを向いて必死に顔を隠す。

「…うい〜っす!」

越前は少し含み笑いをしながらリンスを流した。

桃城はホッと息をして、恥ずかしさを紛らわすために顔をゴシゴシした。

すると越前の口から桃城にとって恐ろしい言葉が出てきた。

「それ元に戻したいんなら自分でやって下さいよ。今日はしない約束っスから。(ニヤッ)」

「…っ!/////」

越前にバレた恥ずかしさと、自分でやれと言われたことに、戸惑いを感じる桃城。

「え〜!!無理だろ!?んな事〜〜〜!!!!」

桃城は“今日はしない”と言ったことを深〜く後悔したのだった。





















END

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