ハンター1

□光と影
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俺たちはヨークシンの街をブラブラと歩いていた。

得に買うものもないし、やりたいこともない。

ただ暇になったからゴンとフラッと出かけてみた。

レオリオにはあんま遠くに行くなよとか子どもみてぇに言われたけど気にしない。

先に行くゴンを人だかりをすり抜けてなんとか追いかける。

「ったく…速ぇよゴン!」

「だって!いろんなお店がいっぱいあるんだよ!?」

後ろから言う俺にゴンは嬉しそうに街並みを歩く。

すると、アクセサリーや小物が売ってある店が見えてきた。

俺はなんとなくそこに入ってみる。

真珠やらいろんな物が置いてある。

綺麗なアクセサリーの並んだテーブルの端に、一つだけ地味な物があった。

「なんだこれ?」

それを手にとって眺める。

すると後ろから店員が俺に話しかけた。

「それはまが玉っていって、昔からお守り代わりに使われているのよ。まぁ、今では恋人同士や友達同士でお揃いって言って買う人が多いんだけどね。」

俺は店員の方を振り返る。

「ふ〜ん…。ねぇ、何でこの2つ白と黒で別れてんの?」

「白には光、黒には影っていう意味があるの。」

その言葉を聞いて、俺はそれを買うことにした。










店から出ると、俺はゴンを探した。

ゴンの行った方向を辿ってみると、開けたところに噴水があった。

その噴水の前でゴンが頬を膨らませて待っていた。

「もぉ〜!どこ行ったのかと思ったよ!!」

「悪ぃ悪ぃ…機嫌直せって!いいもん買ってきてやったからよ!」

「…いいもの?」

俺を横目で見て不思議そうな顔をする。

「ほら、これ!」

「うわ〜!不思議な形〜!」

袋からさっき買ったまが玉ってやつを出してゴンに渡す。

「お前は白な!俺は黒だから!」

ゴンと同じやつの黒を手にとって笑う。

「あ、お揃いだ!…でもなんでキルアが黒なの?」

ゴンが首を傾げて俺に聞く。

「ん?なんとなく!…それよりさぁ、早く戻んねぇとレオリオがうるさいぜ?」

「あ、そうだね。行こう!」

ゴンが元来た道を走り出す。

「待てって!!」

俺もゴンを走って追いかけた。













―ゴン、俺が黒を選んだのには理由があるんだ……




お前は光となって俺を照らしてくれる。



影は光がなきゃ生まれねぇだろ?











だから俺は…………ゴンという光がいなきゃ…………………ダメなんだ―












END

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