ハンター1

□バレンタイン・ラブ
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世間はもうバレンタイン。

街を歩けばどこもかしこもお店はバレンタインフェアで賑わっていた。

レオリオは医者になるための勉強として、本屋に参考書を買いに行っていた。

「どれも同じような店ばっかだな〜…。」

ポツリと呟きながら本を片手に歩いていた。

「…クラピカにチョコ買ってやるかな…いや、バレンタインだからあげるってのも恥ずかしいな〜…」

店の前で立ち止まり、レオリオは少し考え込む。

「…よし!あいつには疲れたときには甘いもんっつって誤魔化しゃいっか!」

大きく頷いて店に入り、チョコを買った。



















仕事が一段落つき、クラピカは帰り道を歩いていた。

「恋人に素敵なチョコをプレゼントしませんか?」

店の前で売り込みをする女性に話しかけられ、クラピカは少し戸惑う。

「い、いや…私は………?」

断ろうとしたけど、クラピカは少し考えた。

「…やはり一つ買おう。」

「ありがとうございます!」

チョコを一つ手にとって、クラピカは会計を済ませた。

「…レオリオには、疲れを取るためにと言って誤魔化そう///////」

そう呟いて、再び帰り道を歩いた。



















その日の夜、二人は夕飯を終えてリビングでくつろいでいた。

レオリオは今だというようにカバンの中を漁ってチョコを取り出した。

「クラピカ。あのな…これ、やるよ/////…最近仕事で疲れてるみたいだからよ…。」

少し照れながらクラピカにチョコを渡す。

「あ…ありがとう…。」

受け取ったチョコは、きちんとキレイにラッピングされてあった。

「(レオリオ…///////)」

しばらくチョコを見つめていたが、クラピカ自身にもレオリオにチョコを渡すということを思い出した。

「レオリオ…私からも渡したい物があるんだ…。」

クラピカもカバンの中からチョコを取りだしてレオリオに渡した。

「お前こそ、勉強で疲れていると思ってな…///////」

「お、おお…サンキュー…//////」

レオリオの受け取ったチョコにも、キレイにラッピングされてある。

「(クラピカ…///////)」

この瞬間、二人は確信した。

同じ想いでチョコを買って、同じ理由で誤魔化していると…













街灯の奇麗な街に、静かに雪が降った。

































END

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