ハンター1

□俺のキモチ
1ページ/1ページ

最近の俺は、妙にゴンを意識してしまう。

ナゼダ?

そっと俺の心に聞いてみた。

『俺は何でゴンを意識するんだ?』

『それはもう気づいてるハズだ。』

『わからないんだ!教えてくれよ!』

『…それは…お前がゴンのことが好きだからだ…』

……えっ…?俺がゴンのことを…?

…ウソだ!だって俺…おと…


「キルア!キルアってば!!」

「…?あっ!ゴンか…。」

気がつくと、ゴンが俺を呼んでいた。

「どうしたの?ボーッとして…。」

「いや…何でもない…。」

俺はゴンの顔も見ないで立ち上がり、寝室に向かった。

「キルア!どこいくの?」

「…ちょっと昼寝!」

「あ…うん…。」

後ろもふり返らず、手を振って寝室へ向かった。


ベッドに寝転び目を閉じた。




―俺は夢を見た。―

『ここは…どこだ?』

すごく暗い所に俺はいた。

すると目の前に人が立っていた。

『…!ゴン!!』

目の前にいる奴はゴンだ。

だがゴンは黙ってこっちを見ていた。

『ゴン!どうしたんだよ?何かしゃべれよ!』

するとゴンは黙ったまま後ろを向き、ゆっくりと向こう側へ歩いていった。

『おい!ゴン!どこ行くんだよ!!』

俺がいくら呼んでも返事がない。

『ゴン!ゴン!俺を置いて行くなよ!!ゴーーーーーーーン!!!』



…気がつくと、辺りが明るくなっていた。

すっげー悪い夢だった…。

体は汗でびっしょりぬれていた。


ドタドタドタ!

バンッ!!!

「キルア!大丈夫?オレの事呼んだよね?」

ゴンが心配そうな顔で俺の側まで来た。

「…ゴン…。」

「どうしたの?悪い夢でも見たの?」

「…っ!ゴン!」

俺はこらえ切れず、ゴンに抱きついた。

「キ、キルア/////?」

「ゴン…俺…俺…」

気がついたら涙が止まらなくなっていた。

「…。キルア。落ち着いて、オレに話してみて?」

ゴンは優しく俺の頭をなでてくれた。

それでも俺は、落ち着けなかった。

ゴンが俺から離れることを考えると、自然と涙が止まらない。

「…っ!ゴンッ!!俺の側から離れんな!!俺を置いて行くな!!!」

さっきの夢を思い出して、余計に怖くなった。

「大丈夫。オレはキルアを置いて行かないよ。」

脅えている俺を安心させてくれた。

「…マジ…?」

「うん!マジ!!だって、キルアを置いてなんかどこにも行けないよ!」

ゴンは笑って俺を見た。

「…何で?」

「そんなの!もしキルアがどっかで暴れたら、止めるのオレしかいないからに決まってんじゃん!」(二コッ)

歯を見せて無邪気に笑ったゴンを見て、さっきよりもっと元気になった。

「なっ!何でだよ!逆だろ!逆!!俺がゴンの面倒見んの!」

「え〜〜〜〜!」

「プッ!アッハハハハ!!!」

この会話のやり取りに思わず笑ってしまった。

「やっと笑ったね!キルア!」

「…えっ?あぁ…。…サンキューな!ゴン!」

とりあえず恥ずいけど感謝の気持ちを言葉にした。

「もう変なこと考えちゃだめだよ!」

「あぁ!」

そして俺たちは、ゴンの親父さん探しに出掛けた。







END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ