本のススメ

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【薬屋探偵シリーズ (くすりやたんてい)】
薬屋探偵妖綺談シリーズ
著者は高里椎奈さん

一巻『銀の檻を溶かして』

不思議な薬屋さんが事件を解決したり、しなかったり…なミステリーもの


薬屋の一人は二十代後半の爽やかな青年座木、もう一人は赤毛で人見知りな少年リベザル、そして、店長には全く見えない茶髪の美少年秋、この三人が深山木薬店の従業員。
おかしな組み合わせな三人だが、薬屋には裏の顔がある。それは、妖怪雑事相談所だったのです!


妖怪たちのため無償で働くこの三人はなに者なのか?


タイプの違う魅力的な薬屋さんたちが素敵なミステリーですが、魅力的なのは薬屋さんだけじゃありません。事件を通じて知り合う刑事の高遠さん、探偵の真鶴さん、律儀な悪魔ゼロイチ…高里さんが書くキャラはみんな個性があって素敵ですが、もちろんそれだけではありません。
推理小説としても面白い作品です!


このシリーズは13冊で一部完結しており、それに短編集『深山木薬店説話集』現在は第二部の『薬屋探偵怪綺談シリーズ』が出ています。

【屍鬼 (しき)】
小野不由美さんの傑作ホラー作品のなかでオススメNo.1です!

最近ではジャンプで漫画化していますが、やはりここは原作を読んで欲しいです。


あらすじは、ある山奥の寂れた村の虫送りの日の夜中に引っ越しのトラックがやって来る。不思議に思う村人たち、そしてそれを境に村では不可思議なことがおこっていく。老人三人の死を皮切りに村人たちが謎の疫病で死んでいく。
突然すぎる死に不審を抱く医者の敏夫と寺の若御院静信は、二人でその謎を解明していく。
村人の本当の死因とは―



すごい怖くて面白いんです!
最初は村人の日常から始まり、いろんな村人の視点から書かれており、日常のなかの一つの非日常が目立ちます。少しおかしい、が積み重なり一人の視点からでは分からなかったことが、読んでいる読者にじわじわと恐怖が押し寄せてくるのです。


若先生と若御隠、それに私の好きなのは夏野です。
夏野は都会から親の都合で引っ越してきた少年で、いつも村から出ていくことを考えています。
それに、夏野に恋をする少女恵。

いろんな年の人の視点から語られるので、誰もが共感しつつ読めてしまうと思います。


そして、共感するからこそこの屍鬼はホラー作品として面白いのです。

是非とも読んで欲しい一冊です。



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