企画

□クリスマス緑間
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「はい、プレゼント」



受け取りながら「変なものではないだろうな」なんて疑いの眼差しで見つめてくる真太郎に一睨みきかせれば、咳払いをして目を逸らされる。実権を握っているのは私なのだよ、真太郎。



「ペン?」



綺麗に包装紙を剥がす彼はさすが几帳面というか潔癖というか。細長い箱の蓋を開けて中身を見た途端、彼が小さくそう溢した。



「万年筆。仕事で使うでしょ?ちゃんと真太郎の名前入りだから」



金字でShintaro.Mと筆記体で入れてもらったそれはシンプルな黒を基調にラインで緑があしらってある仕様だ。
一目惚れと言っていいほど、見た瞬間真太郎へのクリスマスはこれにしようと即決した。普段優柔不断な私にはありえないことである。



「まぁ、悪くはないのだよ」



「仕事で使ってね」



照れ隠しよろしく、とばかりにやたらとメガネのブリッジを押さえる彼。わかりやすいなぁ、本当。



「さ、プレゼントも渡したし、ケーキ食べようか」



「仕方ない、オレが切り分けるのだよ」



寸分違わぬ正確さで切り分けられたケーキ。それさえも面白くて口元を綻ばせていれば「さぁ、早く食べるのだよ」となぜか食べるのを促される。



「ねぇ、真太郎」



「何なのだよ」



「クリスマスっていいね」



「意味がわからないのだよ」



そう言いながらも目許は仄かに優しくて、そんな素直じゃない彼を愛しく思いながらクリスマスの夜を過ごすのだった。















クリスマスナイト!





(…ん、…っ!し、真太郎、真太郎)
(朝から騒々しいのだよ)
(ぷ、プレゼントがある!え、真太郎これ…)
(ふん、きっとどこぞのサンタクロースとかいうやつが置いていったのだよ)
素直じゃない彼が大好きです!


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