log

□恋人は魔女
1ページ/1ページ



ハロウィン in レインズワース邸。





「Trick or treat!」

「ほら、おまえの好きな飴にしてやったぞ」
「おや、気が利きますねえ」

「…それにしても、いったい誰がハロウィンパーティーなんて考えたんだ」

「いやね、ギルバート君があろうことかアリス君の目の前でハロウィンの話をしだしたんですよ」

「それで…興味を持たれたということか」

「…お嬢様もオズ君も、アリス君には甘いですからねえ」

「………」

「………」

「…おまえ、楽しんでるだろう」

「いやだなあ、吸血鬼姿のきみを見たからって、楽しんだりなんかしていませんよー」

「笑うな! わたしだって、好きこのんでこんな格好をしていない!」

「いやあ、その牙もなかなか、かわいいですよ?」

「うるさいっ、おまえだって、その…」

「…なんです?」

「そ、そのっ、スカートの…丈、いやに短く、ないか」

「ああ、まあ、魔女ですからねえ。誘惑するのも一種の魔法なんじゃあないですか?」

「そういう問題じゃあない! もっと他に長いものがあるだろう!」

「…だって、これ、お嬢様が用意してくださったんですよ?」

「………」

「…きみ、逆らえとでも言うんですか? あのスイッチが入った、あのお嬢様に」

「………」

「………」

「と、とにかくだ。これ、貸してやるから、ちゃんと前を留めておけ」

「…マントのない吸血鬼って、どうなんですか」

「そんなことはいいから、早く着ろっ!」

「はーい…まったく、なにをそんなに神経質になる必要があるんですかね」

「おまえが、気にしなさすぎなんだ!」

「へえ…じゃあ、レイムさんはそういう目でわたしを見たというわけですか」

「…!」






恋人は魔女
(わたし以外に、そんな格好を見せるな)
(なんて言えるなら、苦労はしないのに!)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ