桜花 ブック

□十四
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「うわぁ!兄さん兄さん流れ星!」


夕涼みに晋助と縁側で冷たいお茶を飲んでいたその時頭上にきらりと光り落ちる星に目を奪われた
ひとつだけではなく大量に落ちてくる光の流れにグッと胸を捕まえられた気がした



「すっごい…!」

「あ、知ってた晋助?流れ星が消える迄に三回願い事をすると叶うらしいよ」

「嘘?!じゃあ僕頑張る!」


小さな手と手を握り合わせ額にくっつけるとぶつぶつと何かを言い始め、その様子を横目に小さく笑うと晋汰は空を見上げ心の中で唱え始めた























「…………っよし!」

「言えた晋助?」

「うん!ばっちり!」

ニッと笑う晋助の頭を撫でる

「何お願いしたのか兄さんに聞かせてよ」

「えーとね、…ずっと兄さんと一緒に居られますようにと、松陽先生みたいな先生になれますようにと、銀時や小太郎と大人になっても友達でいられますようにって!」

「多いなーでも…これだけお星様があれば沢山願い聞いてくれるよきっと」





お互い顔を合わせニッと笑う
もう一度空を見上げるといつの間にか流星群が終わっていた事に少し残念そうに笑った






「松陽先生みたいな先生に…か
晋助ならきっとなれるよ」

「ほんとになれる…かな?」

「なれるよ絶対。兄さんが晋助に嘘ついたことなんてないだろ?」

「うん!」


抱き着いてくる晋助の頭をそっと撫で、手を繋いで自室に入る
布団に晋助を寝かせるとそっと晋助と手を繋いで優しく笑った


「おやすみする前に兄さんの願い事教えてー?」

「うーん…兄さんの願い事はね…



みんなの願いが叶いますように

(だよ)
(みんなの中には僕も入ってるよね?)
(当たり前)
(兄さん大好き!)


to be continued

2010.05.04





きっと次回で桜花最終回です



 

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