Live
□8
2ページ/2ページ
自室の床に腰を下ろし読み掛けの本を開く
さっきまでとても面白かった本の内容も今ではまったく面白味を感じない
小さくため息をつくとパタンと本を閉じた
その時自室のドアがゆっくりと音を立てて開くのを背で感じたが、振り向くことをせず視線を床に落とした
近付く気配と同時に耳に入る鼻をすする音
トンッと背中に重みを感じる
じわりと暖かくなる背中
背中同士を合わせると梵天丸はその場に膝を抱えて座った
続く沈黙の合間に聞こえる鼻をすする音が耳に残る
「何泣いてんだよ」
「…なっ…い゙で…ヒクっ…な゙い゙でな゙い゙」
「あっそ」
「な゙い゙でな゙い゙…な゙い゙でな゙い゙も゙ん゙」
「鼻水落とすなよ」
「な゙い゙でな゙い゙も゙ん゙!」
「曇ってンなァ…明日は雪か」
「……な゙い…で………っゔわぁあん!」
ずしりとくる梵天丸の重みを背中に感じて目を閉じた
わんわん泣く梵天丸の声が部屋中に響き渡り耳に残った
目を開けスッと立ち上がると春の背中に体重を預けて泣いていた梵天丸はころっと後ろに転がり仰向けになる
梵天丸の顔を覗き込むように座ると涙や鼻水でべちょべちょになった梵天丸の顔を服の袖で拭いてやり、仰向けのまま目を丸くしている梵天丸に笑いかけた
「同情なんてクソなモンはやれねーが、お前が泣いた時はこうやって拭いてやるよ」
「……春……」
グシャグシャと頭を乱暴に撫でてやると、また梵天丸の目からぽろぽろと涙が落ちた
泣いたって良いじゃねーの
強がったって良いじゃねーの
ただ自分のペースで生きれば良いんだって
言いたくない過去なんて無理にほじくり出して喋るもんじゃねェからさ
もっと俺の事を心底信用してくれて話ししてくれる時まで待ってやるよ
それぐらい待ってやらァ
時間なんていくらでもかけやがれ
I hope to be sunny tomorrow!
20090620
今回は、梵ちゃんといつもと違う口喧嘩
どうスか?←
どんな喧嘩をしても次の瞬間コロッと仲直り。そんなふたりにしたいです