Live
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「どうして僕の目のこと聞かないの…?」
少し離れた場所に座る梵天丸が
小さく呟いた
気にすることなく手に持っている本の小さな文字に目を走らせる
「……ねぇ…春…」
パタンと読みかけの本を閉じ、椅子から立ち上がり何も言わず横を通り過ぎようとしたとき影がちらつく
溜め息をつき振り返ると下を向いたまま動かない梵天丸が視界に入った
「何お前…同情でもしてもらいてェのか?」
「……ッ……ちがっ…!」
「違わねーだろ」
ひとり隠れて包帯を替えているのを知っていたから何も言わず何も聞かず待っていた
ある程度の事は調べて知っていたがやはり本当の事は本人に聞くしかないと思ったからだ
「甘いんじゃねェのお前。
同情されたって救われねーって
お前自身一番分かってる筈だろーが」
7歳の子どもに大人として接する態度ではないこと事態、春自身分かっていた
視線の先には下を向き小さな手を震える程強く握りしめた梵天丸
強く言いすぎた事を少し後悔しながら部屋を後にした