桜花 ブック
□八
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「んー…にいさ…眠…ぃ…」
「あぁごめん晋助。灯消すね」
隣で体を丸めてうとうととする晋助
今まで読んでいた本を閉じ晋助の眠りを妨げる行灯の火をフッと吹き消した
しっかり布団に入ると少しずれた掛布団を晋助に掛け直してやると嬉しそうに唇が弧を描いた
「にーさ…ん…」
「うん」
「ま…た明日…いっしょ…に…」
「寺子屋行こうな」
「う…ん………スー…ー…」
「お休み…晋助」
小さく握られた拳の上から優しく手を被せる。暖かい晋助の手の温もりにゆっくり目を閉じた
あったかいなぁ…
(小さくて暖かくて…大切な弟)
to be continued
2010.01.31
きっと晋助くんは体を丸めて寝る派だと
信じて止まない
そしてサッカリンより甘い兄からの愛に幸せな夢を見ると良いさ!←ぇ
※行灯(あんどん)
→持ち運び出来る照明器具。一般的に普及したのは江戸時代かららしいです
※サッカリン
→人工甘味料
水溶液はショ糖の500倍の甘さ