桜花 ブック

□四
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「なぁなぁ晋汰兄!」

「銀時、しー」


大好きな晋汰の背中に飛び付くと首だけを動かしいつもの優しい笑顔のまま口に人差し指を当てる晋汰
首をかしげ晋汰の横を回り込むと眉を寄せ少しムッとした

縁側で胡座をかいて座る晋汰に抱き着いたまま眠る晋助

その姿に銀時は口を尖らせた




「晋助ばっかりずりー…」

「ははっごめんね銀時」

「もういいよっ」


拗ねてしまった銀時は晋汰の横にドカッと座る。困ったような笑顔を浮かべる晋汰はそっと銀時の頭を撫でた




「なー晋汰兄!次は晋助じゃなくて俺のことだっこしてよ!」

グイグイ着物の袖を引っ張る銀時にフワッと笑い晋助を支えていない方の手の小指を差し出した





「わかったよ銀時。約束な?」

「うっ…うん!」


嬉しそうに小指と小指を絡ませ合う
お互いの口から流れる指切りげんまんが寺子屋に響いた

「ゔー…ん」

その声に目を擦り眠りから覚醒する晋助
銀時と大好きな兄との指切りの姿を見て目を見開いた










































「あ゙ぁ゙ぁああ!」

「うわっ起きた?!」

「あ、おはよう晋助」

「だめだめだめだめー!なに僕の兄さんと指切りなんてしてんだよ!」

「へへーん!もう指切りげんまんしちゃったし!なー晋汰兄っ」


挑発するが如くぴったりと晋汰に引っ付き舌を出す銀時に晋助は眉をピクリと動かす

今にも暴れだしそうな晋助とへらへら笑う銀時を微笑ましく見つめる晋汰





こらこら喧嘩しちゃだめだぞ?

(ゔわあぁぁぁん!兄さあぁあん!)
(べーっだ!)
(こらー喧嘩はだめだってば)


to be continued

2010.01.10



 

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