桜花 ブック
□三
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「ゔ…うわあぁあああああああんッ!!」
「晋助?!」
一際大きな泣き声が家中に響く
泣き声のする方に走ると庭の木に上り大きな泣き声を上げる晋助が目に入る
慌てて木の下に急ぐと小さな子犬がキャンキャンと晋助に吠えていた
「に゙いざあ゙あぁ゙ん!い゙ぬ゙がああぁ!」
「晋助…でもこれ子犬…」
「い゙ぎゃ゙あ゙ぁああぁあぁぁああっ!」
抱き上げ晋助の方に掲げるとギャンギャンと泣き騒ぐ
困り果てた晋汰は犬を地面に離し木にしがみついて離れない晋助に手を伸ばした
「大丈夫晋助は俺が守ってあげるから」
晋助を抱えリズム良く背中を優しく叩く
自分に抱えられまだ犬への恐怖を拭えない晋助はそわそわしている
「晋助そんなに犬きらいだったっけ?」
「…ゔぅ…っ…この前…バカ天パのせいでいっぱい…犬に…追いかけられて」
「あぁー…なるほど」
想像出来る自分に心から拍手
「でも…俺がそばにいればもう怖くないよね晋助?」
頷く晋助に微笑みギュッと抱き締めた
いつか犬を克服するその日まで
(俺が犬から晋助を守ってあげるから)
(じゃあ僕は…えーっと…
何かから兄さんを守る!)
(うん。じゃあ何かから俺を守ってね)
to be continued
2010/01/05
きっと晋助は犬見たら逃げるタイプだよね
って言う妄想の産物。