桜花 ブック

□二
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静かな午後
柔らかく温かい日差しが眠気を誘う
温かい日差しに自然と降りてくる瞼を擦りながら少し遠くから聞こえる松陽先生の教本を読む声に自然と微笑んだ

きっと自分の可愛い弟はあげたおさがりの教本に目を走らせているのだろう
晩には教本を抱えて自分の布団に転がり込んでくるに違いない


そんなことを思っているといつの間にか松陽先生の声が聞こえなくなっていた事に
気が付く
耳をすませば言い争う声とだんだん近づいてくる慌ただしい足音


困ったような笑みを浮かべ腰を上げた途端腰に衝撃が走った
























「銀時?」

衝撃の正体は銀髪の男の子
気だるそうに自分の腰に抱きついている銀時の柔らかい髪を撫でてやると目を細めて嬉しそうにした



「晋助と喧嘩?」

「今日はヅラ」

「ははっ小太郎とかー
ダメだぞみんな仲良くしなきゃ」

「俺わるくないもーん」


そう言いじゃれついてくる銀時
春の風に銀時の柔らかい髪が
フワフワ揺れた







「銀時!」

大きな声に二人して振り向くと怒りをあらわにしている晋助と小太郎が腕組みをして立っていた


「銀時っはなれろ!兄さんは僕の兄さんなんだぞ!」

「そうだぞ銀時!それに今日のことはお前がわるいんだぞ!」

「俺わるくねーしっ
それに晋汰兄は晋助だけのじゃねーだろ!みんなの晋汰兄だろ!」

「ちーがーう!僕の兄さんだ!」

「銀時がわるい!」


銀時の着物を引っ張り引き離そうとするもギュッと抱き着いて離れようとしない
騒ぐ三人の姿にへらっと晋汰は笑った


みんな仲良しさんだね

(おや…モテモテだね晋汰)
(ははっ羨ましいでしょ先生)


20091208

to be continued



 

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